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あまい、はじまり
「んん、…は、あ…」
「…イヤ?」
舌をジャスティンの指先で挟まれて唾液が溢れてくるのに、言葉は出てこない。イヤかと聞かれたから素直に首を横に振った。
俺の答えに満足したのか、ジャスティンが口から指を引き抜く。唾液がべっとりついて光るそれで唇をゆっくりなぞると、さっきまで舐めていたところとは反対側にそれを押し付けてきた。
「んっ、やっ、あぁ、なに…っ」
「イヤ?」
「やっ、じゃ…ねぇ、ふ、ああっ…!」
先端部分に爪を立てられて、信じられないような声が出て自分でもびっくりした。だって、こんな感じ知らない。
びりびりと競り上がる何かが、頭のてっぺんまで一気に駆け抜ける。もうやだ、イヤじゃない、なんだよ俺おかしい。
「んっ、なんか、へんだ俺っ…!」
「変じゃない、大丈夫」
何かに縋り付きたくて、ジャスティンの頭をかき抱いたら、そっと背中を撫でてくれた。たったそれだけの事なのに、なんだかすげえ落ち着く。
ドキドキというかバクバクする心臓の鼓動が速くなるのがわかる。まるで耳元で聞こえるような錯覚。
でも背中を撫でてくれてるジャスティンの手のひらに意識を向けることで、気持ちはすーっと落ち着くから不思議だ。
「大丈夫、痛い事はしないから」
「ん…」
湿ったままの髪に顔を埋めてみたら、なんだかいい匂いがした。同じシャンプー使ったのに、こいつのは甘い匂い、なんていうか…
ああ、そうだ。ハチミツみたいだ。さっきジャスティンが言ってた通り。
「ダイスケのハートビート、so fastだ」
「うるせ」
「オレも同じ」
頭を抱えていた俺の手を取って、ジャスティンが自分のそこへと充てさせる。確かに俺と同じくらいどくどくと脈打ってるのがわかる。
そうか、同じなんだ。甘いって思うのも、馬鹿みたいにドキドキすんのも。
「なあ、こっち、向けよ」
胸に充てた手はそのままに、素直に見上げてきたジャスティンの唇にキスをしたら、さっきよりも鼓動が速くなった気がした。
「好きだ、バカ…」
速くなった鼓動は俺も同じ。
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