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少しだけ我儘を言うのならば繋いだ手を離さないでほしい 

熱い手のひらがそろそろと這い回り、大腿に触れる。くすぐったいようなビリビリ痺れたような、なんか言葉に表せない。 その間もずっとキスを続けてくれていて、背中を撫でてくれてる。 ああ、やっぱこいつの手はなんか安心する。全てを任せても大丈夫だって思えるんだ。 「う、ぁ…ん、」 「…ほんとにイヤならしないから、ちゃんと言って?」 ジャスティンの右手が俺の足の付け根あたりに辿り着いた時に、じっと見つめてそう確認してくる。 こいつは優しいから、今はほんとに最後までしないつもりだ。 ふるふると首を横に振って、迷ったままのその手に自分の手を重ねる。 そう、イヤなわけじゃないんだ。ただちょっと、緊張して、恥ずかしかったり、そんでちょっとだけ怖かったり…自分が自分じゃなくなるみたいで、なんか、どうしたらいいのか分かんなくなってきた。 だから、ちょっとでもこの気持ちを落ち着けてくて。俺の気持ちをこいつに伝えたくて。 「イヤじゃ、ない、けど、…手ぇ離すのはやだ」 「オーケー、もちろんだ」 背中から回り込むジャスティンの左手と俺の右手が重なり、しっかりと指を絡めた。 その手のひらから、俺の気持ちが届くように……

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