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遠すぎず近すぎずな距離がうれしくて
ーーーーッ!!!!
なんだこれ!体が浮いた??回った?揺れるーーーーっっっ!!
「大丈夫、じゃないな、立てるか?」
「…………ムリ」
立ち上がろうとしても、腰と膝に力が入らない。
ぐい、と手を引かれてシートから立たされると、そのまま肩に担がれるようにしてアトラクションの出口に連れて行かれた。
くっそムカつく、継のやつなんか大爆笑してるし、創はこの醜態を写真に撮ってるし。
ジャスティンは………
「けっこう怖かったな、少し冷たいものでも飲むか?」
心配そうに覗き込んできた。
…心配、してくれてんだよな。なんか、ちょっと嬉しいかも。
「ん、」
こくりと頷くと、途端にホッとしたように笑ってくれた。
「歩けるか?」
「…………ムリっつったら?」
うん、ちょっと調子に乗ってみた。だって俺の事好きなんだろ?
少しだけ迷った素振りを見せてから、肩に掛けた手を引かれた。
え?と思う間も無く、ぷらぷらと宙に浮いた俺の両脚と、目の前で揺れる金髪。
「なっ??下ろせって!」
「ほら、暴れるな。抱き上げた方が良かったか?」
じたばたとジャスティンの背中に背負われながらもがくけど、一向に下ろしてくれる気配はない。それどころか体すらブレなくて、日頃のトレーニングの賜物なんだなあと納得してしまう。
一度意識してしまうと、その鍛えられた体に身を委ねるのも悪くないとか思ったり。諦めて大人しく背負われてやろう。
「……この広背筋、好きかも」
「はは、サンクス」
ぴたりと背中に寄り添って、そこに手のひらを這わせてみる。
…はあ、よく考えたら背中で良かったかもしれない。抱き上げられてたら顔が近すぎて恥ずか死ぬ。
しっとりと汗ばんだ肌と筋肉の隆起を辿ると、その体が身じろいだ。
「あの、ダイスケ、そんな可愛い事されると困る」
「ぅえっ??」
膝裏にあったはずのジャスティンの手のひらが、さわさわと俺のケツを撫でやがった。
くっそ、あとでお前の大臀筋揉んでやるからな!
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