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素直になれないなら
【ジャスティンside】
ダイスケは素直じゃない。アマノジャクというやつだとソウが言っていた。
確かにそうだが、そんなダイスケだから好きになったんだ。
甘えたりしてほしいとは思う。でも自分からそう出来ない性格なら、そうしてもらうように仕向ければいいだけのことだ。
今だって脚が震えてうまく歩けずにいたのを、無理矢理に担いで階段を降りた。
ベンチに座っても顔を見れば、まだ少し目元が潤んでる。ああ、so cuteだ。
でもその可愛い顔を他のやつに見せるなんてもったいない。嫌だ。
これは、オレのだ。
「…というより、オレがこうしたいんだ」
「あっ、の…ちょっ、ちょっとだけなら、いい…」
ぐい、と腕を引っ張ると、膝の上にこてんと倒れてくる。眩しいだろうから手のひらで影を落としてやると、少し大人しくなった。
ああ、本当にオレはどうしようもないな。こんな素直に甘えられない恋人が愛しくて仕方ない。
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