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甘え方がわからないんだ

【大介side】 さらさらと髪を梳く音が聞こえる。それよりも大きいのは、人の歓声でもアトラクションの音でもなくて、俺の心臓の音。 ジャスティンが少し体をずらして俺の顔に影を落として、空いた手は頬を擽るように撫でてくる。 じっと見つめる碧い瞳は、その更に上にある空よりも澄んでいて綺麗だと思った。 「………困った事になった」 「…え?」 ぼーっとその瞳を覗き込んでいたら、髪を梳いていた手のひらがそれを隠すように顔を覆ってしまう。なんだよ、もっと見てたいのに勝手に隠すなよな。 無意識のうちにその手を掴んで顔を暴くと、本当に困ったような表情をしていた。 「なにが?」 「…ダイスケが、可愛くて困る」 「は?バカだバカだと思ってたけど、本当にバカだなお前」 ふう、とため息をついて、頬に触れたままの手のひらに擦り寄った。 相変わらず困り顔のジャスティンがゆっくりと近付いてくるのがわかり、期待と恥ずかしさから瞼を閉じる。 「そうやって不器用に甘えてくるのが、たまらなく可愛いんだ」

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