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並んで歩けることこそが、この上ない幸せ
「なあ、オレ創と二人がいいんだけど」
昼時にテラス席でハンバーグとスパゲティを頬張りながら、創に口元を拭かれた継が言う。ガキかお前は…
まあ確かにすぐ近くでラブラブバカップルがいちゃつかれると、目のやり場に困るんだけど。
「そうだな、ダイスケは?」
「べ、別になんでもいい」
継が創と二人って事は、俺はジャスティンと二人って事で。
なんでもいいわけ、ない…
「じゃあまた後でねー!」
大きく手を振って、創と継が駆けて行った。
残されたのは、俺とジャスティン。
「…えー、と……」
「I want to hug you」
「はあっ??」
いきなり何言い出すんだこのバカは。いくらなんでもいきなり過ぎんだろこのバカ。
ぐいぐいと抱きついてくる両腕の中で反転する。べしっと頭を一発殴って、継達とは反対方向に一人で歩き出した。
「ダイスケっ!いたい!」
「知るかボケ、…………早く隣来いよバカ」
「っ!今行くっ!」
すぐに隣に並んで歩き出したその歩幅が俺より広いのはちょっと気に入らないけど。
さりげなく俺を自分の影に入れて歩く気遣いが、なんかくすぐったいけど嬉しい。
大事にされてるんだなって、そう思った。
「…ほら次、どこ行くんだ?」
「え、あ…あの、ダイスケ?」
ジャスティンのシャツの裾を、皺がつくほどに握り締めた。
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