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花言葉
【ジャスティンside】
二人と待ち合わせしてる時間が近付いて、そろそろ向かおうかとベンチを後にした。
立ち上がって初めてその通りが朝顔の鉢植えでいっぱいなのに気が付く。
「サクラと同じくらい日本らしい花だな」
「あー、そういや小学生の頃に育てた気がする」
それは目的の売店まで続いていて、道行く人の目を楽しませていた。
大きな花や小さい花、色とりどり咲くもの、まだ蕾のもの…同じものは一つとない。
濃い紫に咲く一輪の花が、なんだかダイスケに似合いそうだなんて考えながら、二人で並んで歩いた。
売店に着いたがまだ二人は来ていないようで、店内をうろついていた時に、アクセサリーコーナーに目を引かれた。ダイスケはオレの後ろにあるお菓子コーナーにいる。
ふと目に留まったのは朝顔のバレッタ。さっき見つけた紫のものもある。
ラックから外して、後ろを向いたままのダイスケの髪に触れないようにそっと宛ててみる。日本人らしい黒い髪に似合う、落ち着いた色合いだった。
気付かれないように一人で満足して、ぶら下がるタグを読む。
【花言葉…固い約束、愛着の絆】
ああ、今のオレが贈るのにぴったりだ。お菓子を眺めるダイスケに声を掛けて、二人でレジに向かった。
「ありがとうございます。彼女へプレゼントですか?」
「んなっ??ちがっ…んむーっ!」
「ええ、すぐに使うのでそのまま貰います」
ダイスケの口を押さえ会計を済ませると、バレッタを受け取り半ば羽交い締め状態で店の奥のトイレへと連れ込んだ。
「ふぐーーーーーっ!!!!」
「あ、sorry」
口元を押さえていた手のひらを離すと、膝に手をついてはあはあとダイスケが肩で息をする。
さらりとその髪を梳いて、今買ったバレッタを着けた。顔を上げたダイスケが鏡に映った自分の様子に気付いて外してしまう前に、両手を掴んで指を絡める。
「おまっ、なんだよこれっ!」
「ダイスケに似合うと思って。ああ、やっぱりよく似合ってる」
「似合うかっ!しかも、か、彼女、とか…否定しろよな」
真っ赤になってだんだん俯くダイスケに、外したタグを渡す。素直にそれを受け取って書いてある花言葉を読んだダイスケが、ゆっくりと顔を上げた。
「一瞬は離れるかもしれない。でも、ずっと一緒にいるって約束する」
「そ、んなの…」
「Believe me when I say that I'll always love you, and I'll never leave you…」
「っ、バカ、くせぇんだよ…」
神ではなく、腕の中の愛しい人にそう誓った。
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