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合流、そして

【大介side】 「あーっ、大ちゃん可愛い!」 売店の外へ出ると、創の声がして振り返る。ん?なんか黄色い。 駆け寄ってきた創が、俺の方をまじまじと見つめてからジャスティンに視線を投げた。 「ふーん、守ってね?」 「もちろん」 「?」 間に挟まれた俺…わかんねえ、何が? 一人ハテナを浮かべる俺に、創はしきりに可愛い可愛いと連発してくる。 「いや、お前がだろ」 「オレの創が可愛いのは当たり前だろ!」 そこへ継が割って入ってきて、なんだか騒がしくなった。 頭についてるやつを外したかったけど、創がしてるならまあいっか。 「そろそろ行こうか」 ジャスティンが俺の背中を押して歩き始める。不意に顔に影が差したので見上げてみると、唇に柔らかいものが触れた。 それがキスだと気付いた時には、しっかりと手が繋がれていて。 「なっ!おま…っ!」 反対の手でごしごしとそこを擦ってみても、その感触が消える事は無くて、むしろどんどん意識してしまう。 かああっと熱くなった顔を隠すように俯いて、引かれるままに歩き出した。 「あーっ、ずりい!創っ、オレもちゅーしたい!」 「ふふ、仲良しだねえ」 後ろから双子の声が聞こえてくる。はしゃぐ二人が羨ましいと思わなかったわけじゃない。 だから、こうやって手を繋いで歩くのが、ほんのちょっとだけ嬉しいんだ。

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