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合流、そして
「遊園地デートの仕上げっつったら、やっぱ観覧車だろ!」
そんな継の一言で、帰り際に観覧車乗る事になった。
歩き出した俺の手のひらはしっかりと握られている。指と指を絡めた、いわゆる恋人繋ぎとかいうやつ。双子がよくやってるけど、まさか自分がするとは思わなかった。
周りから絶対変な目で見られると思って拒否ったのに、全く視線を感じない。そりゃそうか、周りもこんなんばっかだしな。
…けど、それとこれとは別!
「…恥ずかしい、死にたい」
知り合いに会わない事を願いながら歩く。
暫くすると、繋いだ手のひらが異常に熱くなってきたのに気付いた。え、俺の手汗?
…じゃねーな。だとすると。
「…I feel my heart beating」
「え…」
俯いていた顔をあげれば、耳まで真っ赤に染まったジャスティンと目が合う。その瞬間にばっと逸らされ、そっぽを向かれてしまった。
「こ…こっち、見ないでくれ…」
………なんかムカつく。
でも、いつも余裕なこいつがこんな恥ずかしがって真っ赤になるとか、なんか可愛いかも。
ちょっと虐めてやろうか。
「あっそ。なら手ぇ離せ」
「それはダメだっ!」
途端にぎゅっと力が入って、より強く握られる。
なんだこれ、可愛くないか?
「お前がそんなんなるって、珍しいじゃん」
「…まさか、ダイスケと手を繋いで歩けるとか思ってなくて、その………緊張?してる…」
「……ぷっ、お前、今まで散々好きにやっといてよく言うよな」
ぼそぼそと話す様子がおかしくて、つい笑ってしまった。
しょうがねえな、このまま繋いでてやるよ。
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ジャスティンさん意訳
「…やっべぇ、超キンチョーする」
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