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第4話
あぁ…すごく懐かしい夢を見た…あれからもう何年たったのか…
あの後中学になり卯月はモデルの仕事を本格的にやるようになった。
前より忙しくなった卯月とは学校以外では中々会えなくなった。
それでも連絡は毎日取り合っていたのだけれど…
高校になると卯月は海外を拠点とし仕事をすることになったため連絡がすれ違い自ずと連絡もしなくなった
卯月が自宅に戻ることは年に数回もなく会う暇なんて全く取れず…時だけが過ぎて行った。
今日もまた画面越しに卯月を見た。今は本名じゃなく月(ルナ)として活動をしている。
もう俺の知っている卯月ではないのだ。
こんなにも俺とは住む世界が違う別の次元の人間なのだ…
数々の女優やモデルなどと浮名を流している月。
その月にまた新たな恋人が出来たらしい
その類の報道が出る度に連絡を取ろうと思うのだが結局動けないまま、叶わない初恋にただただ馬鹿みたいに泣くのだ。
あれは俺の紛うことない初恋だったのだ。
叶うはずのない誰にも理解されない初恋…
許されない小さな小さな恋心…
初恋は実らない…それは本当だ…
卯月と会えなくなってからはあいつを忘れようと告白してきた女の子たちと付き合ってはみた。
けれど、どの子もしっくり来なくて誰とも長くは続かなかった。
本当に私のこと好きなの?好かれてる気がしない…
…何度聞いた言葉なのだろう…
他に好きな人がいるんじゃないの?それも何度も言われた。それを完全に否定ができなかった…もっと女の子たちを傷付けないうまい答え方もあったはずなのに…
結局、俺が本当に愛せる相手は卯月だけなのだとそのたびに思い知らされて
…あぁ…俺だけが過去に縛られ取り残されている…進めないでいる…雁字搦めだ…
過去の可愛い約束なんて信じてしまっている…
そんなの…すごく…すごく滑稽なのに…
理解はしてるはずなのだ。そんなの無駄なことだって…卯月はそんな子供の頃の約束なんて覚えているはずもないのだから…
そうして更に時は過ぎていき…ついにその報道が出た。
もう…卯月は俺のところに戻ることはないという決定的な報道…
月が…婚約発表…夜に会見を開く…
「そんな…」
友人なのだからそれを一番に喜ばないとならないのに…なのに…
「卯月が結婚…そんなの聞いてない…」
俺の心は黒く塗り潰されていくような気がした…
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