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第46話
先ほどの出来事が気になり、なかなか寝付けない深夜2時。
周りは真っ暗で、他の子の寝息だけが聞こえてくる。
携帯でも弄ろうかと思ったが、画面の明るさでみんなを起こしちゃったら……と考えて辞めた。
特にすることもないので、布団を口元まで引っ張りながら、中では足先をぐーぱーぐーぱーと動かして遊ぶ。
「ふわぁぁ〜」
しばらくそれを繰り返していると、自然に欠伸が出てきた。
そろそろ寝れるかな……と思い、横に向き直して目を閉じようとした時、少し離れたところから唸り声が聞こえてきて、びくっとする。
布団から出て、恐る恐る声がする方へ近づく……と、そこには顔をしかめながら、うなされている蓮くんがいた。
「蓮……くん?」
はじめは優しく声をかけるが、彼は変わらずに声を上げ続けている。
頬から流れる汗を見て、今度は身体を揺すりながら声をかけた。
「蓮くんっ。蓮くん……っ! 大丈夫?」
「ごめんなさい! ごめんなさいっ! 行かないでっ」
ぼくの声で目が覚めたのか、突然ガバッと勢いよく起き上がった彼は、ぼくの腰元に顔を埋めながら抱きしめてくる。
はじめは驚いたが、彼の先ほどからの行動を思い返し、きっと悪夢を見てうなされていたのだろうと思い、自分の気持ちを落ち着かせながら、優しく彼の背中をリズムよく叩いてあげる。
どのくらいの時間が経ったのだろうか?
しばらくして呼吸を取り戻した蓮くんは、そのままぼくを抱きしめながら穏やかな寝息を立てていた。
先ほどまでぼくの袖を握っていた力も弱まっており、体格差から少し大変ではあったが、元の場所へ寝かせてあげることが出来た。
離れる前に軽く頭を撫でてあげると、彼は普段とは違うあどけない表情で、優しく微笑む。
ーーきっと彼も、ぼくの様に人に言えない何かを抱えているんだろう。
そんなことを考えながら、ぼくもやっと眠りについた。
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