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第2話

花園高校、3年C組。 周りとは何も変わらない、普通の学園・教室でぼくーー若森 なずな は生活している。 校則を守った制服の着こなしに髪色、友達だってそれなりにいる。 家だってお金持ちではないけれど、困っているわけでもない。 本当にどこにでもいる男子高校生だ。 ーーガタッ! 「っ??」 「おーいー、お前何やってんだよ?」 クラスの男子の茶化す声が聞こえる。誰かがぼくの机にぶつかったのだろう。机の位置を戻しながら顔を上げると、目の前には蓮くんの姿があった。 「イヨたちがいきなり押すからだろ。ったく、少しは加減しろよ……。なずな、悪いな。怪我してない?」 彼はそう言いながら、ぼくの顔を覗き込む。 「う、うん。大丈夫……」 「ならよかった」 友達の元へ戻る蓮くんを見ながら、ぼくは自分の左胸を押さえた。 (聞こえてない……よね?) ぼくが周りと少し違うこと、それはーー同性である男が好きということだ。

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