16 / 51

第16話

洗面所に着き、蛇口をひねって水に指をつける。 排水溝に吸い込まれる、ぼくの血が混じった ほんのり赤い水を見ながらこんなことを考えていた。 男の子が好きなぼくは変 きっとこの血も、周りのみんなと違って汚いんだ 蓮くんと同じクラスになれて、 今まで知らなかった彼を知っていけるのは嬉しい。 ……けど、知れば知るほど、ぼくの気持ちは抑えきれなくなると思う。 「……ははっ。本当にぼくって、気持ち悪い……」 鼻をすすると、ぼくはしばらくその場にしゃがみ込んだ。

ともだちにシェアしよう!