19 / 51

ふたりで過ごす部屋

割れたガラスを綺麗に掃除し、ぼくたちはいつも通り ダラダラと過ごした。 夕方になって母さんが帰宅し、隼人の分の夜ご飯も作る。 嫌いなトマトをあいつに食べさせ、母さんにバレて怒られる。そんな変わらない日。 ただ、ひとつだけ予定と違ったのは……。 「……すぅー。……すぅー」 日付が変わった今も、ぼくの部屋には眠る隼人がいるってことだ。 食事後、いきなり泊まると言いだした隼人。 長い付き合いだから母さんはすぐに首を縦に振り、ぼくの部屋に客用布団を出してくれた。 きっとこれは、隼人なりの気遣いなんだろう。 「ばーか。……でも、ありがとう」 「…………ふがっ」 ぼくが鼻を摘んでいたから、苦しかったんだろう。間抜けな隼人の声に思わず笑ってしまう。 「おやすみ」 自分の布団に戻り、ぼくも明日からの学校に備えゆっくり休んだ。

ともだちにシェアしよう!