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ふたりで過ごす部屋
割れたガラスを綺麗に掃除し、ぼくたちはいつも通り
ダラダラと過ごした。
夕方になって母さんが帰宅し、隼人の分の夜ご飯も作る。
嫌いなトマトをあいつに食べさせ、母さんにバレて怒られる。そんな変わらない日。
ただ、ひとつだけ予定と違ったのは……。
「……すぅー。……すぅー」
日付が変わった今も、ぼくの部屋には眠る隼人がいるってことだ。
食事後、いきなり泊まると言いだした隼人。
長い付き合いだから母さんはすぐに首を縦に振り、ぼくの部屋に客用布団を出してくれた。
きっとこれは、隼人なりの気遣いなんだろう。
「ばーか。……でも、ありがとう」
「…………ふがっ」
ぼくが鼻を摘んでいたから、苦しかったんだろう。間抜けな隼人の声に思わず笑ってしまう。
「おやすみ」
自分の布団に戻り、ぼくも明日からの学校に備えゆっくり休んだ。
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