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第24話

「……はっ、………はぁっ」 脇腹を抑えながら、どんどん小さくなっていく隼人を追いかける。 こんなことになるなら、朝ごはん少し残せばよかった! なんて今更思っても遅い。 日頃から運動をしないせいか、足が産まれたての子鹿のようにプルプルと震え、自分のものという感覚がなくなってくる。 「も……むり。はっ……やと、先に行っ……てて」 声量があまり無い上に、息を切らしながらだが、なんとか前を走る隼人に声をかけた。 その場に座り込み、息を整える。 突然日の光が遮られて、ふと顔を上げると、そこには前を走っていたはずの隼人の姿が。 しかも--何かを企んでいる様な笑顔で。 「ったく、仕方ねーな。ほら、鞄かして。……最後のひとっ走りだから、頑張れよ!」 「うわあぁっ!!」 荷物をヒョイっと取られたかと思えば、隼人が俺の左腕をグッと掴み、そのまま走り出した。 「待って! 転ぶ! ほんと無理だからっ。隼人離して」 「無理って思うから無理なんだよ! 出来ると思えば、なんでも出来るって!」 「あわわわ〜」 強引過ぎる隼人に勝てず、ぼくは足を絡ませて転ばない様集中をして、されるがままに走って行った。

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