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第38話
「はぁ〜。疲れたぁ〜」
部屋に戻ると布団が敷かれており、そのひとつに山本くんがゴロンと寝転がった。
「みんな、お茶飲む?」
敦くんが、冷蔵庫の前からぼくたちに声をかけてくれる。
「おー、くれくれ〜。布団のところまで持ってきて」
「ありがとう。僕ももらおうかな」
少し間をあけてから、蓮くんも答えた。
「俺は……いらない」
そう言うと、先ほど入ってきたばかりの扉へと戻っていく。
「蓮、どっか行くの?」
「……あぁ。外の空気吸ってくる」
ーーガチャン!
「あいつ、湯あたりでもしたのかな?」
「さぁ? ってかさ、さっきの夕食んときの話なんだけどさーー」
隣で盛り上がる2人の声が、部屋中に響く。
いつからだろう?
多分、お風呂に入ってる時からかな。蓮くんの様子が、どこかおかしい。
彼が出て行ったばかりの扉をぼーっと見つめながら、ひとりでそんなことを考える。
……いや。ぼくの考えすぎなのかもしれない。
もしかしたら、合宿中のカリキュラムが厳しくて、疲れているだけかもしれないし、お茶じゃない飲み物が飲みたくて、外に買いに行っただけかもしれない。
(でも……)
今日一日で、たくさん知れた彼の事をひとつずつ思い出す。
(ここでクヨクヨ悩んでても、いつもと何も変わらないよね……!)
「山本くん、敦くん! ぼくもちょっと外に行ってくるね」
一方的に2人に伝え、先ほど出て行ったばかりの蓮くんを追いかけた。
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