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第18話

「神事ねぇ…」 「神社や寺には限らぬだろう。その土地を讃え、家の始祖を大事にし、俗世に染まらぬ極めて綺麗な血の持ち主じゃよ。音羽は」 抜けるように白い肌と繊細な睫毛が、より音羽を浮世離れさせている。 本人は、それを嫌がっていたが。 こんなにも貴く美しいというのに、それを疎ましく思うだなんて。人間の心は複雑で、理解し難い。故に、興味が湧く。 音羽の前髪をそっと直してやっていると、銀瑶は呆れた目で眺めてくる。 「お前、よっぽどだな…。その顔、(ほむら)姐さんが見たらなんて言うか…」 「お師匠の話はするでない。背中のあたりがぞわぞわしてくるのじゃ」

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