19 / 39
第19話
せっかくいい気分に浸っていたというのに、その名前を出された途端に寒気を覚える。
けれど、いずれは全員に話さなくてはいけないだろう。音羽のことを。
「一席設けねばならんかのう、近いうちに…」
腕の中の赤ん坊のように愛らしいその寝顔を、いつまでも側で見ていたい。
そう願う雅を、音羽はどう思うだろう。
それが驚きでも、戸惑いでも喜びでも…なんら変わりない。
この縁に導かれたことは、単なる偶然に過ぎないと既に予感している。…きっと、それは音羽も同じだろう。
ともだちにシェアしよう!