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第22話

首筋に触れる空気がひんやりとしている。 気になって、俺は雅さんたちに気づかれないよう玄関へと向かった。 「…?」 上がり框の真ん前には、思わず目を丸くする来訪者が待っていた。 「…ん?」 「………」 「………」 顔のそっくりな、ふたりの子供と目が合った。 子栗鼠のように、丸い瞳は鴇色(ときいろ)で濁りがない。 口元を白い布で隠しているためか、表情が読み取れなくて何と声をかけたらいいのか…。 困りかねていると、右側の子が唐突に言った。 「(つがい)だ」 「へっ」 左側の子も全く同じ声で繰り返した。 「番。番だね」 「???」 番…って言うのは…? 戸惑う俺の心の中を覗き込んだように、同時に2人は言った。 「「雅にも番ができたんだね」」 「!??」 こんなにも小さい子が衝撃的すぎることを口にした…!!

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