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第26話
満月のように内から光を放つ瞳と、後ろで束ねた銀色の髪が、雅さんとはまた違った存在感を醸し出している。
白の着物に朱色の袴姿を見るに、恐らく彼は…
「こんな風にふらふらして飯ばかり食っておるが、一応凄い狐じゃ」
「一応じゃねえ!ふざけんなよ爺!」
今にも雅さんに噛みつきそうだけれど、これが普通なんだろうか。
部屋の隅に座って、お萩を食べていた三十鈴と六十鈴が銀瑤を見てひそひそと話す。
「相変わらず騒がしいきつねだね」
「ね。お萩食べられるかと思っちゃった」
「聞こえてっからな、おめーら!」
びしっと人差し指を向けられても、2人は知らん顔だ。肝が座っている、という言葉が相応しい。
盛大にため息をついて胡座をかきなおすと、
彼は俺に改まって問いかけた。
「…で?お前、此処に残りたいのかよ?」
「え…」
「え、じゃねえよ。お前、上手いこと雅に丸め込まれてるだけだぜ。本当に夢妖京に残るってことは、それなりの代償があるってもんなんだよ」
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