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第32話
色とりどりの光の粒が、きらきらと視界に踊った。
それから、吹いていた風がふっと前髪を攫った後に止んだ。
心臓が、分かりやすいくらいに脈打つ。
全身に血が巡っていく心地よい感覚は、まるで魔法にかかったようだった。
「雅さん、これって…?」
糸で操っているような指先の動きで、地面の和紙を呼び寄せる雅さん。
俺の問い掛けに、ちょっとだけ意地悪な笑みを浮かべて見せた。
「音羽のいる世界では、呪術とは気休めや願掛けに過ぎぬのじゃろうが…それは低級の呪術師の足掻いた遊びじゃ。
本物は、儂がいい例じゃ」
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