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第36話

戸惑いと衝撃に心が翻弄される。 何を言われたのか、すぐに理解ができない。 そんな、耳の先まで余すことなくじわじわと温まっていく俺を見つめたまま、雅さんは言った。 優しさの中に、絶対的な支配欲を垣間見せた目で。 「お主は、儂の一等大切な宝物よ。それこそ、心も体も番いたいくらいに。 すべて、ものにしたいのじゃ。音羽のことを」

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