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第9話 X-day1.仙道さんは見た…

見てはいけないものを見てしまった…! エレベーターホールの死角で、壁際に追いやられているのは僕の上司、船山さん!?彼ににじり寄っているのは服部さんでは?? 腕で囲んでは居ないけど、いわゆる壁ドンって奴です。生まれて初めて生で見ました… この年の瀬にトラブル?喧嘩?? とりあえず観葉植物に隠れて耳をそばだてる。 「お前の気持ちは解ってるよ。何年一緒にいると思ってるんだ。 土曜の予定、何もないだろ?だったら迷うなよ。 俺と朝食を食べないか?もちろん、無理になんて言わないよ?」 「わかってますよ。服部さんはいつも俺の判断を尊重してくれるんですよね。」 「船山が望むなら、ホテルの部屋を押さえるのなんかお安い御用なんだから、遠慮しなくて良いんだよ」 まんざらでもない表情。船山さんは拒否どころか瞳を輝かせている… 僕はどエライ現場に居合わせてしまったらしい…。 二人の姿が見えなくなってからも、その場からしばらく動けなかった。 「仙道さんどうしたの?顔色が悪いね、ちゃんと飯喰ってます?」 「ああ、土井さん。すみません、体調はすこぶる良いんです。」 ただ心臓が口から出る程驚いただけで。 「今日さ、呑みたい気分だったのに、船山も服部さんも居ないんだよ…」 ギックウゥゥゥ… 「最近あいつらと時間が合わなくてさー、つまんねーなあ」 「…ぼ、僕で良ければ付き合いましょうか?」

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