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第7話

高坂が目を覚ますと、既にベッドには東郷の姿はなく床に散らばった衣服を着てリビングに行くと、しっかりシャツを着てダイニングの前で珈琲をいれている彼を見つける。 昨日の情事の残り香などはまるで感じさせない隙のない雰囲気で、しっかりした所作で入ってきた高坂をちらっと見やる。 後ろに流していた髪は、まだ整えていないのか前髪が額に落ちて、違う雰囲気をまとっている。 昨夜は追求できぬままになっていた事柄に高坂はとらわれて、どこから切り出そうかと近寄りながら視線をめぐらす。 「朝飯は食べるだろう。座るといい」 ダイニングテーブルを指さして座るように促す。 「アンタは、俺を知っていたのか」 「まあな。昨日は気づかなかったが、最近尾行されているのには気がついていた。.....お前の父親は、組の下っ端でバーを任されていた男だった」 どう親から聞いているかはわからないがと付け足して、いれた珈琲を高坂の前に差し出し、トーストと目玉焼きという定番を並べる。 「水商売だとは、聞いていたが。アンタは父の死の真相を知っているのか」 ヤクザの下っ端というならば、殺されたこともその証拠がでないことも納得がいく。警察がその件を詳しく調べなかった理由も。 ヤクザに殺されたということで、その死に絡んでいた桜星会を目の敵にしていたが、父親自体が一般人ではなくその組員ならば、仕方がないことである。 桜星会を追いかける意味がなくなる。 「真相か」 問いかけに低く呟き椅子に腰を下ろすと、東郷は額に手を翳す。 「良くは知らんよ。ただ、お前の父親を殺した男を、俺も追っている.....。大方そいつの目論見が外れて、俺がチカラをもってしまったから、高坂が邪魔になったんだろう」 静かにそう言って珈琲に口をつけると、高坂の顔を伺い肩をそびやかせる。 「まあ、これ以上洗っても、俺からはこれ以上は有益な情報は得られないだろうよ。昨日のような目にあいたくなけりゃ、目の前をうろつかないことだな」 後半の言葉に、高坂は昨夜の乱れた東郷の様を思いおこして、カッと首筋を朱に染めた。

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