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香の四
剥いだ着物の中から出てきた孝彦の肉体は、筋肉は大きくないが白く透き通った、綺麗な肉体であった。下着を付けていない孝彦もまた、強く勃起していた。そしてふんわりと、伽羅の香が聞こえてきた。
剃毛され、美しい陰茎は根元から観察することが出来た。どこまでも白く、美しい肉体である。
男性を抱いたことの無い僕は戸惑った。
とにかく早く挿入したかったのだ。
「磐田さん、待って」
孝彦を抑えていた手を緩めた。
孝彦は、香匙を数十本束ね、僕に差し出した。
「お願い、僕のアナルにこれを挿してください」
香匙は耳かきより少し匙が大きい。それを束ね、紐で結んであるだけである。
その束ねた香匙の先の凹凸が、肛門内部をきちんと愛撫できるものか、僕は不安だった。
「迷わず挿して!」
孝彦の絶叫に促され、僕は孝彦の肛門の方を向き、束ねた香匙を孝彦へ突いた。
「がああああああああああああああ」
孝彦は仰け反り、叫んだ。孝彦の美しい顔は見る間に歪む。僕は孝彦の絶叫に益々欲情させられた。僕は香匙を突いたり回したりしながら、孝彦の陰茎を口に含んだ。
「あああああ!!!ペニスは、ペニスは・・・!!!!」
孝彦は絶叫しながら身を捩った。
僕は、叫ぶ孝彦の口元へ僕自身を含ませた。孝彦はくねくねと身を捩じらせ腰を振りながらも、僕の陰茎を口に咥えた。とてつもない快感が僕にも襲う。
孝彦の陰茎を咥え、舌で亀頭を転がす。唇をすぼませたり緩めたりしながら、根元から亀頭までを上手にしゃぶった。孝彦の陰茎のかすかな震えなどを感じながら、香匙の方は、回転させながら突く。肛門からは甘い香りが漂ってくる。
孝彦はあまりの快楽に、声が漏れ僕の陰茎を甘噛みしたりする。
それがあまりに美しくて健気であった。
舌の先で、孝彦の尿道口をすばやく刺激する。
射精が近いことを示す、陰茎の細かな振るえが伝わった。僕は肛門に挿した香匙をすばやく上下した。肛門内部が締まり始め、睾丸も震えている。
孝彦は自分の両手で白い肌に映える桃色の孝彦自身の乳首を自ら愛撫している。
荒い呼吸が更に荒くなり、絶叫とともに、孝彦は射精した。
僕は孝彦の全てを飲み干した。
僕は孝彦の肛門からゆっくりと香匙の束を抜き取り、ゆっくりと孝彦の肛門へと僕自身を挿し込んで行く。
孝彦の中はとても締まっていて、女性の膣よりも硬さがあった。その分、快楽が強くすぐさま射精しそうになってしまう。
僕は孝彦の乳首を吸いながら、ゆっくりとピストン運動を続けた。
射精を終えた孝彦のうな垂れた陰茎までもが美しい。どこまでも美しい陰茎だった。
「僕は今までにフェラチオしてもらった経験が無かった・・触られたのは初めてだった・・」
僕に突かれながら、孝彦がささやいた。
僕はピストンする速度を速め、そのまま、孝彦の肛門の中で果てた。
孝彦は射精後の僕の陰茎をしゃぶる。残っていた精液までも吸い尽くし、香炉の灰へとペッと吐き出した。生臭い香りが、上質な香りと混ざり合い、人間の匂いが現実へと引き戻すようだった。
寺でこのような行為・・・・祟りなど起こらぬであろうか?天井の鳳凰を見上げふと考えた。
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