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ピロトーク:郁也さんの特技

※【小児科医 周防武の最後の恋】Love too late:防戦と一部内容がリンクしております。 2サイドでお楽しみ戴けたら幸いです(・∀・) ***  ――月曜日――  職場である編集部に出勤したら、そこは野戦病院と化していた。見間違え……いや幻かもしれない。  そう思って身を翻し引き返した瞬間、背後から肩を強く叩かれる。 「諸悪の根源がぁ、逃げるなよ、桃瀬ぇ……」 「ヒッ!?」  恐るおそる振り返るとメガネの奥から、恨めしそうに俺を見つめ、マスクを装着した編集長がいた。 「お前が僕の忠告を聞かず、ずーっと残業したり無理をした結果、風邪を引いた挙句にマスクをつけず、周囲を見事に感染させた罪は、すっげぇ重いぞ」 「( ゚-゚)( ゚ロ゚)(( ロ゚)゚((( ロ)~゚ ゚ナント!!!」   さっきは漂っていた雰囲気だけで逃げたのだが、目ん玉ひん剥いて、よぉく見てみると、編集者全員マスクをしながら、書類と栄養剤片手に、仕事をしているではないか! 「僕の予測では一日に一人ずつ、倒れると思うんだ。だから桃瀬、今日は早上がりしていいから、完璧に風邪を治せ。これは命令だぞ」  肩を掴んでいた手で背中を叩いて、フラフラしながらデスクに戻って行く編集長。言えなかった――完全に風邪が、治っていること。  言ったら間違いなく、いつも以上にこき使われるのが目に見えたから。  今日は明日のために温存しながら、仕事をしよう。早上がり出来るついでに、周防のトコ寄ってお礼を言わねば。  この日は小さくなりながら、粛々と仕事に勤しんだ俺。早く帰りたい気持ちが満載だった。  

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