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ピロトーク:郁也さんの特技⑥

***  涼一とのHじゃないが、俺にも限界はある。気持ちの中では、まだまだイけると思っても、身体がいうことをきかない。  仕事でもアッチでも弾切れを起こさないよう、早めに周防のトコに赴くべく、手土産を涼一と作った。 「周防さんの病院に行くのに、注射の見返りが餃子って一体……」 「ニラとニンニクが大量に入ってるのが、これのミソなんだよ。名付けて桃瀬スペシャル。スタミナつくだろ?」  これを食べた太郎が、周防を襲ったりしてな。  餃子の皮に水をつけタネを載せて、俺に手渡してくれる。しかし涼一の目が、何故か冷たい―― 「どうした?」 「郁也さんの考えてることが、手に取るように分かるから。太郎くんと周防さんがイチャコラするのを、想像してるんでしょ」 「相変わらずすげぇな。どうして分ったんだ?」  手渡された餃子をキレイに包んで、皿に載せた。 「手土産に餃子って変だもん。無茶苦茶にニンニク入れてるあたり、何かあるなぁって思ったんだ」 「あの量は、いつも通りだぞ」 「だとしてもあのふたりのことは、自然に任せたほうがいいんだって。スタミナつけるのは、郁也さんひとりで充分」  涼一の言葉に、思わず笑みを浮かべてしまう。 「それって俺に何かをやらせたいから、そんなこと言ってるのか?」  しまった(´゚∀゚`;)  そんな感じの言葉を、あからさまに顔に出した。 「たまには違うトコで、ヤるのもいいかもな。キッチンプ――」 「ふざけたこと言ってないで、ちゃんと餃子包んでよ。それにこんな場所では、絶対にしないからね」  ズバッと釘を刺され、呆気なく撃沈した俺。  まぁ今日は珍しく早起きして、行ってらっしゃいのキスをわざわざしてくれたから、いいか。  涼一から元気をチャージしてもらい、お陰で一日ご機嫌でいられたし。  その場面を思い出し、しみじみと幸せを感じている俺を困った人だなぁと呟いて、寄り添ってきた身体を、ぎゅっと抱きしめた。

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