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魔王の城-2-※

「謁見の間です」  眼帯の魔物が扉を引き開けると中から微かに人の呻き声が漏れ聞こえ、促され中へ入ると呻き声は大きくなった。  王の前では決して許しが無い限り顔を上げてはいけない。それが例え魔王であっても。  二人は俯いたまま部屋の奥へと進み、示された位置で跪いた。  玉座のある壇上とは幕で仕切られている。幕の向こう側は見えないが、廊下で耳にしたおどろおどろしいものとは違い淫靡な呻き声。グチャグチャと淫猥な濡れ音。何が行われているかは考えるまでも無い。 そして呻き声の主が誰であるかは想像に易く、魔王の悪趣味な行いに二人は吐き気がした。  白銀の魔術師は顔色一つ変えずにいたが底冷えしそうな冷気を放ち、黒曜の騎士は無表情を繕ってはいたが目は怒りに満ち、全身から殺気を放っていた。  只ならぬ使者の気配を感じ、魔王は愉快そうに喉の奥で笑った。 「そろそろ感動のご対面といくか? 勇者よ」  傲慢な響きを孕んだ甘い声に耳元で囁かれ、逞しい雄芯に蹂躙され、熱く暴力的な快楽によって手放しかけていた意識を手繰り寄せると、両手を後ろで拘束され身動きの取れない身体を捩じらせなけなしの抵抗をする。 「や…めろ」  精悍な顔を怒りで歪ませきつく睨み訴えるが、魔王はそれを崩すべく灼熱の楔を一気に最奥まで貫かせた。 「はぁああん」  脳天を突き抜ける衝撃に身体は小さく痙攣し、怒りと意思を刈り取られる。  何度となく揺すぶられ快楽に溺れていく。  その時だった。  パチン。  魔王が指を鳴らすと一気に幕は開かれた。  愉悦に侵食され惚けていた頭は謁見の間に控えていた二人の姿を見るなり一瞬で覚醒し、勇者は絶望から小さな悲鳴を上げた。  玉座に座っている魔王に背を預ける形で太腿を抱え上げられ、脚を無理矢理開かされ恥部が丸見えの状態というだけで屈辱と羞恥で血が逆流する。  緊張から体中の汗が噴出し、心臓は早鐘を打っている。 「使者よ。面を上げろ」 「やめっ! み、るな…見ないでくれ……」 「素直じゃないな。部下の姿を見て萎えるどころか硬くしているくせに」 「ちっ…違う」 「本当は見られたいんだろ? 俺のモノを美味そうに銜え込んでいるいやらしい穴を」  禍々しく猛り狂った雄芯を根元まで飲み込み、拡張したそこをさらに指で拡げられ、感極まった嬌声を上げながら勇者は身体を仰け反らせた。  ぼんやり霞んだ目で跪いたまま顔を上げずにいる部下を見て安心する。  まだ見られていない。  この浅ましく淫猥な姿を見られたらと考えると羞恥で死にたくなる。  ――頼むから顔を上げないでくれ!  ――こんなみっともない姿を見ないでくれ!  そう願い、きつく目を瞑り顔を背ける。  ――早く捕虜引渡しの話し合いを始めてくれ。  ――そして一分でも一秒でも早く終わってくれ。  心の中で何度も呟く。  そんな心の声に気付いてか、魔王は唐突に捕虜引渡しの話を始めた。

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