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ココロ 7話
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yoshiは渋々、光一も家へ入れた。
「余計なもん触るなよ」
光一にキツく注意しながら自分の部屋へと2人を案内する。
初めて入るyoshiの部屋に2人は互いに感動しているように見える。
「着替えとか詰めるから待って」
yoshiは大きめのボストンバックを持ち出すと床に投げた。
「手伝うよ」
と豊川が言うと、
「俺も」
光一も名乗りを上げる。
「いいから2人は座って待っててよ」
yoshiは手際良く着替えを詰めていく。
「はい」
いい歳をしたオジサン2人はyoshiの言葉に従い大人しく近くに座った。
光一はキョロキョロとyoshiの部屋を見渡す。
綺麗に掃除された部屋。物は少ないようでシンプルだ。
ふと、本棚にアルバムを見つけた。
自然に手に取りアルバムを開く。
瞬間……、 懐かしさで胸がいっぱいになる。
別れた当時の美嘉とyoshiの姿。
公園で撮られた写真。
当時住んでた場所の近くの公園だった。
日本に居た時の写真はその1枚だけで、後は小学生くらいのナオと小さいyoshiが仲良く本を読んでいる写真や、 犬と遊ぶyoshi。
そして、知らない男性に抱っこされて無邪気に笑うyoshiの写真。
ズキンッと胸が疼いた。
心がざわつく。
「光一、お前勝手に見たら嘉樹に怒られるぞ」
アルバムに見入る光一に気づき、豊川は耳打ちする。
でも、視界に入ってきた見知らぬ男性の写真に豊川もつい、見入ってしまった。
「あー、もう!勝手に」
yoshiはアルバムを見ている光一の手から、そのアルバムを取り返そうとするが、光一はアルバムを離さない。
「なあ、これが嘉樹の好きな親父さんか?」
変な話だ。
実の父親は俺なのに、他人の事をこんな風に聞かないといけないなんて。
「そうだよ。格好いいだろ!」
自慢気に言うyoshiに 「そうだな、格好いいよ」と微笑むとアルバムをyoshiに返す。
「煙草吸ってくる」
光一はそう言って部屋を出た。
「急にどうしたんだよアイツ?」
yoshiは不思議そうに豊川を見た。
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心が掻き乱される。
今更…、 本当に今更だよな。
あの写真を見なきゃ良かった。
幸せそうに笑うyoshi。
血の繋がった親子のようで悔しかった。
手を離さなきゃ良かったんだ。
バイバイと手を振ったyoshiの手をギュッと掴んでいたら良かった。
玄関に座り込み空を見上げる。
都会から離れているこの場所は星がチラチラ見えていて、田舎の空を思い出す。
俯くとため息が出る。
煙草に火をつけて、光一はもう一度と空を見上げた。
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yoshiは着替えや必要最低限なモノを詰め込む。
豊川はまたアルバムを広げて写真を見ている。
「タケル、用意出来たよ」
ニコッと微笑むyoshi。
「嘉樹、…カウンセリング毎月行ってるんだろ?今度、一緒行って良いか?」
yoshiは戸惑ったような表情を見せる。
「ナオから聞いたの?カウンセリングの事…俺、カウンセリング行きたくない」
「行きたくない?」
yoshiは頷く。
「だって、いつも発作が起きて、入院する羽目になるもん、入院したらタケルに会えない」
「発作?喘息の?」
「うん。だから行きたくない」
「そっか、苦しいもんな」
豊川はyoshiの頭を撫でる。
「それに、記憶が抜けた部分を思い出す必要ってある?きっと要らない記憶だったから無くても平気だよ俺は」
その言葉に豊川は撫でる手が止まった。
平気じゃない奴も居るよ。
そう言いたかったが言葉に出来なかった。
「早く行こうよ。タケルんちのお泊まり嬉しい」
yoshiはバッグを手にする。
「私が持つよ」
豊川はyoshiの手からバッグを取ると一緒に部屋を出た。
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