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影 3話
彼は逃げはしないのに、細い腰に手を回しキツく抱き寄せ、もう片方の手は彼の後頭部に添えられている。
息をするのも忘れたかのようにyoshiに深いキスを繰り返す。
くちゅ、くちゅ、と舌が絡まり合う粘着質的な音。
「…くる、し…」
yoshiの声が漏れ、豊川の背中を軽く叩く。
くちゅ、というリップ音がして唇がようやく離れた。
「タケル、息出来ないよ」
あまりの激しさに息が出来なくてyoshiは少し焦った。
「嘉樹不足なんだよ。」
そう言いながら豊川の唇はyoshiの耳たぶや首筋に這う。
「…タケル…今日、何か何時もより激しいよ、何かあった?」
yoshiはそんな質問をしながらも、豊川の愛撫を受け入れている。
「激しいの好きだろ?」
「好きだけどさ、ここ玄関だよ。」
「そうだったな」
豊川はyoshiに夢中過ぎて玄関だった事を忘れていた。
漸く靴を脱ぎ、中へと入る。
「お風呂一緒入ろうよ」
yoshiは無邪気に誘って来る。
断る理由なんてないから、豊川はバスタブにお湯を入れる。
お湯が溜まる時間さえも惜しむようにyoshiに触れる。
彼の服を一枚脱がす度に愛撫を繰り返す。
yoshiも豊川のネクタイを外し、シャツのボタンを外していく。
何度もキスを繰り返し、ゆっくりと互いにの服を脱がせ合う。
いつもなら数秒で全裸になるのに、浴槽にお湯が溜まったという温泉で我に返った。
「イチャつき過ぎたね」
yoshiがクスクスと笑う。
「仕方ないよ、嘉樹が可愛すぎるから」
「全く、どの口が言うんだよ、そんなクサい台詞」
yoshiはそう言いながら、クサい台詞を吐いた唇に自分の唇を押し付ける。
裸で抱き合い、キスを繰り返す。
yoshiの背中に回された手は肌を滑らせお尻の方へ。
割れ目にそって指を敏感な小さい穴へと運ぶ。
ビクンッ、 キスをされながらyoshiの身体が敏感に反応する。
指がスルリと中へ入って行くとyoshiの口から吐息が漏れる。
その吐息を喘ぎ声に変えたくて豊川はもっと奥へ指を突き刺すように入れ込むと、指先を曲げるように中で動かした。
背中を滑ってゆく指先にyoshiはビクンッと身体が反応して、豊川に触れられている事だけでも、興奮剤みたいに中から熱くなっていくのを感じた。
その指先がどこへいくのかを密かに期待している。
その直後に囁かれた言葉。
「気持ち良くなりたいか?」
もちろん。気持ち良くなりたいし、彼を感じたい。
うん…。
小さく返事をすると、指先はyoshiの中へと挿入してきた。
あ…、 キスの合間に声が漏れて、本当はキスどころじゃない。
指先は奥へ奥へと入り込み、一番感じる場所をすぐに探り当てられて、そこを執拗に攻められ始めた。
「やっ、……まっ…」
一気に身体が麻痺したみたいに力が入らなくなる。
待って!
そう言いたいのに、豊川が容赦なく唇を塞いで言葉にならない。
yoshiが身体をくねらせるように豊川の指先から逃げようとするのが分かった。
yoshiは先にイクのを嫌がる。
一緒にイキたいと可愛い事を言ってくれるけれど、自分の腕の中で乱れて喘ぐ彼を見たくてたまらない。
自分なしでは生きていけなくなるように彼の身体に教え込みたいのだ。
今も、豊川の腕の中淫らに身体をくねらせて感じているyoshi。
彼の中心部は先走りして、イヤらしく張り詰めている。
いま、それを掴んで動かせばきっとすぐにイッてしまうだろう。
でも、長く乱れた彼を見ていたいから、じっくりと時間をかけて、yoshiを弄ぶ。
塞いでいた唇を解放してやると、彼は可愛く喘ぎ出して両手を豊川の首筋に回して身体を預けてくる。
喘ぐ息が肩にかかる。
「嘉樹、顔上げろ」
俯き喘ぐ彼の顔を見たい!
自分の手でイヤらしく乱れる彼を見たい。
「たける、むり…激しいよお」
身体の力が抜けるようにガクンと膝が落ちる。
イッてはいないのだろうけど、きっと彼は限界に近い。
「顔を上げたらイカセてあげるよ」
その言葉にyoshiは、
「いや、まだいきたくない…たけると一緒がいい」
と相変わらずの可愛い事を言う。
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