150 / 275

変わらぬ想い 8話

****** 何度電話を掛けてもyoshiに繋がらない。 拗ねているだけかと思っていたけど、もしかしたら…?  倒れているとか? 事故とか?  なんだか嫌な想像ばかりしてしまい焦る。 とにかく早くマンションへ!  ふと、知っている顔を見掛けたような気がしてスピードを落とす。  アキ?  歩道を歩く知った横顔。しかも誰かを支えて…………。  豊川はアキが向かう先へと車を停めた。  アキが支えているのが誰かが分かったからだ。  ***** ドキドキしながらyoshiを支えて歩く。 ラブホテルのネオンが近付いてくる。 うん、休むだけだし!  そう思いながらyoshiをチラリと見る。  さっき触った柔らかい唇。 細い首、白い肌はスベスベで、 女の子みたいに可愛いyoshiに生唾が出る。  俺って肉食獣だったんだなあ。  なんて思いながら歩く自分の前に停まる見覚えがある車。  「嘉樹」 聞き覚えがある声。  車から降りてきた人物は、  「しゃ、社長!」 豊川だった。  豊川は真っ直ぐにアキの前に立つと、yoshiに手を伸ばして、あっという間に自分の腕の中に抱き込んだ。  「酔ってるのか?」 yoshiは豊川の腕の中でウトウトしていて、  「あ、あの、さっきまで嘉樹くんの友達と3人でバーで飲んでて」 そうアキは答えた。 その説明でなる程と思った豊川。  電話に出ないわけだ。  「嘉樹は酒強くないんだ、あまり飲ませるな」 豊川はyoshiを抱き上げると車の助手席に乗せた。 「じゃあ、アキまた明日」 豊川はアキに手を振ると走り去った。  えっ、えーーと? アキは茫然と立ち尽くす。 ****** 良かった。  助手席で眠るyoshiを見てホッとため息をつく。 でも、アキがyoshiを支えている姿を見てムッときた。  腕や腰、 yoshiの身体は誰にも触らせたくない。  全て自分のモノ。  ******* 豊川はゆっくりとyoshiをベッドに降ろす。  熟睡中のyoshiの頭を撫でながら、  「全くお前は無防備過ぎるぞ」 とため息をつく。 「他の男に無闇に身体を触らせるな。嫉妬するだろう」 アルコールで熱を帯びた頬に触れると、そのまま顔を近付けてyoshiの唇にキスを落とす。 髪を撫で、額や頬、唇にキスをしながらyoshiの服を脱がせていく。  マジかよ、起きない………。 アキに手を出されたらたまったもんじゃなかったな。  そう考えながら、ふと…アキが進んでいた方向にラブホテルがあったような?なんてぼんやりとした記憶を辿る。  まさか…ね?  yoshiの上着を脱がせてシャツまで脱がせジーンズに手をかけた所でyoshiがようやく目を開けた。  さらりと髪を撫でられて、目を開けると豊川が自分を見下ろしている。  「あーっ、たけるだあ。」 少し呂律が回らない口調で豊川の名前を呼ぶ。  「ようやく起きたか」 呂律が回らないyoshiの口調が可愛くて豊川は笑う。  「なに、わらってんだよお、たけるのばーか」 ベッドから起き上がると豊川の顔を軽く両手でペシペシと叩く。  「なんだ、拗ねてたのか?」 顔を叩くyoshiの両手を掴むとそのままベッドに押し倒した。  「やら、たけるとエッチしないんだから!俺は怒ってんの!」 抵抗しながら豊川を睨むyoshi。  「ごめんな。待たせて」 「フンだ。謝ってもだめ」 yoshiはプイッと横を向く。  「アキ達と飲んでたんだろ?それでも怒ってたのか?」 「そーだよ!飲んでた!でも、楽しくなかったし、怒ってんの俺は!」 「楽しくなかったのか?…どうして?」 「どうして?」 yoshiは豊川に視線を向けると、  「たけるが居ないからに決まってるだろ!たけるが居ないとつまんないの!」 そう言って怒り出す。  「嘉樹………」 そんな可愛い事言われたら…  豊川は覆い被さるようにyoshiを抱きしめる。  「もう!おーもーい!」 豊川の下でジタバタと暴れる。  「悪い」 離れようとする豊川に腕を伸ばし、  「寂しくさせたんだから、いっぱい愛してよ」 とyoshiは耳元で囁いた。

ともだちにシェアしよう!