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愛の重さ
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「なおっ」
駅の改札口を抜けたナオを見つけてyoshiは手を振る。
「yoshi」
ナオもyoshiに気づいて笑顔を見せた。
近付いて来るナオにyoshiはちょっと恥ずかしい。なんてったって豊川を紹介するのだから。
「なんか照れる」
yoshiがそう言うと、
「いまさら?」
と返事が返って来た。
「えへへ、そうだよね。じゃあ、行こう。」
ナオを促し、豊川のマンションまで歩く。
******
「タケル、連れて来た」
玄関先で声をかけると、キッチンからエプロンをした豊川が現れた。
「いらっしゃい。丁度、出来たところだよ」
優しい笑顔でナオを出迎える豊川。
「エプロン」
豊川のエプロン姿は意外だった。つい、ナオは笑ってしまう。
「タケルが作るってウルサくて」
yoshiはナオの手荷物を持ち、奥へと案内する。
テーブルには沢山の料理。
「凄いですね」
料理を見ながらナオは感動している。
「タケルね、本当に料理得意なんだよ」
「ありがとうyoshi」
照れながら礼を言う豊川。
甘いムードが漂う二人。
ああっ、いつの間にこんな仲になったのだろう?
会って間もない筈なのに。
テーブルに着き、ナオが椅子に座ると、
「えっと、ナオ………改めて言うのは恥ずかしいんだけど……俺、タケル、いや豊川さんと付き合ってる」
顔を赤らめて告白するyoshi。
「うん。良かったねyoshi」
ナオはニッコリと微笑む。
「豊川さん嘉樹をよろしくお願いします。まだ凄く甘ったれでワガママだけど、凄く良い子なので」
次にナオは豊川の方へ視線を向けて頭を下げる。
「いや、ちょっと、頭を上げて!私の方こそ……………その、本当にすまない。もっと早くにナオには報告するべきだったのに。……その、私は嘉樹より凄く年上だし、きちんとすべきで、子供同士の恋愛じゃないのに、申し訳ない」
豊川は立ち上がるとナオに頭を下げる。
「えっ、豊川さんやめて下さい。僕は豊川さんで良かったと思っているので」
優しく微笑むナオに豊川もyoshiもホッとする。
「俺もナオの恋人が拓海で良かったって思う」
yoshiもニコッと微笑む。
「ありがとう。拓海はね、凄く良い子なんだよ」
これはナオの本音。
yoshiの恋人の登場で本当は気が狂いそうなどうしようもない自分を愛してくれるから。
「あ~拓海も呼べば良かったね」
「拓海はドラマ撮影だよ。また今度、一緒に誘って」
「なんだあ、そっか。」
そんな会話をしながら食事が進んで行く。
「ね、ナオは明日休みだよね?だったら」
yoshiは立ち上がると冷蔵庫からビールを取り出して来た。
「祝酒」
そう言いながらyoshiは人数分グラスに注いでゆく。
「じゃあ乾杯ね」
yoshiがそう言うと豊川とナオはそれぞれグラスを取り、カチンとグラス同士を合わせた。
「嘉樹、酒弱いんだからあまり飲むなよ」
豊川はクスクスと笑う。
「家だから良いじゃん。」
yoshiは楽しいのか何杯もビールを飲んでいる。
「yoshiと豊川さんはどちらが先に告白したの?」
ナオの急な質問に豊川はビールを吹き出しそうになる。
どちらからだったっけ?
キスから先に始まった関係。
「俺からだよ。俺がタケルに告白した」
yoshiは酔っているせいもあり、お喋りだ。
「俺はね、めっちゃタケルが好き!チュウした時は嬉しかったもん。だって、相手にされないだろうなあって」
かなりyoshiは酔っている。
豊川はいたらぬ事を言い出すのじゃないかと気が気でない。
「チュウしたんだ」
クスクスと笑うナオ。
「嘉樹、もう飲むな!なっ?」
と豊川は慌てビールを取り上げる。
「なんだよお、本当の事だもん!タケルは大人だから俺なんか相手しないと思ったもん」
そう言うと豊川にしがみつく。
「あ~、もう、だから飲むなって言ったのに」
豊川はしがみつくyoshiを引き離そとする。
「タケルすき」
そう言ってyoshiは眠ってしまった。
「もう」
呆れながらも豊川は愛おしそうにyoshiを抱き上げて、
「寝かせてくる」
と寝室へと運んで行った。
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