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愛の重さ 2話
良かったね。なんて心から言える自分になりたい。
豊川を見るyoshiは今まで見せた事がない表情をしていて、
自分を頼っていた小さい彼ではなくなっていた。
「すみません」
豊川が戻って来てテーブルにつく。
「yoshiがあんな顔するなんて思っていなかった。豊川さん聞いても良いですか?」
真顔で豊川を見るナオ。
「はい。何を?」
「yoshiとの恋愛は本気ですか?彼はまだ二十歳で、彼の若い身体が目的とか、やましい気持ちだけで付き合っているのなら、僕はアナタを許さない」
真剣な目で豊川を見ている。
ナオは幼い時からずっと一緒で、兄よりも、実の父親の光一よりも大事にしてきたと思う。
yoshiを思う気持ちは誰にも負けないと。
「年齢差は言われると思ってた。私だって、嘉樹とこんな関係になれるなんて思っていなかった。あんなに若くて綺麗な子が…………毎日会ううちに惹かれていって、また恋をするとは自分でも驚いている。ちゃんと言うよ。私は嘉樹を愛している。幸せにしたい。彼を守りたい。」
真っ直ぐに目をそらす事もなく、豊川は直を見ている。
ナオも目をそらす事をしない。
しばらく見つめ合って、ナオが先に表情を緩めた。
「小さい子供だったのに。もう、すっかり大人だ…………。ずっと僕が居ないとダメだと思っていました。ずっと守らなきゃって………事故に遭った後も今も、嘉樹には僕が必要だと思ってて、でも、違った。嘉樹に必要なのはアナタですね」
ナオはニッコリと微笑んだ。
「ナオ。ありがとう」
豊川も微笑む。
少し話して2人でビールを飲んでいるとナオは眠ってしまった。
どうやら彼も酒に弱いらしい。
豊川はソファーベッドへとナオを寝かせて、後片付けをする。
長く話していたような気がするけれど、まだ時間は早い。
寝室に行き、yoshiの寝顔を覗く。
頬に触るとアルコールのせいで熱い。
可愛くて愛しい。
yoshiにキスを落とす。
軽いキスのつもりが、深くなっていく行為。
ヌルリと侵入させた舌を絡ませてキスを味わっていると、首筋にyoshiの腕が回された。
「ごめん、起こしたな」
と唇を離す豊川。
「もっと…………」
yoshiはキスをねだる。
何度かキスをして唇を離す。
「タケル、好き」
ギュッと抱きついてくるyoshi。
「私もだよ」
そう言って豊川は額にキスを落とす。
「なんか……幸せ」
ニコッと笑うyoshi。
「ん?」
「タケルがチュウしてくれるのも、ナオが認めてくれたのも……全部、幸せだなあって。日本に来て良かった」
「そっか。私も嘉樹が日本に来てくれて最高に幸せだよ」
「じゃあ、もっとキスして…………幸せ満喫したい」
yoshiの要求通りに豊川は何度もディープキスを繰り返す。
2人の息づかいが部屋中に充満している。
キスを繰り返すうちに豊川の手はyoshiの服を脱がしてゆく。
はだけた胸にもキスを落とされyoshiは甘い吐息を漏らす。
「んっ……タケル、すきっ」
愛撫の間中yoshiは好きと何度も何度も言葉にする。
それが豊川の興奮剤となり、行為が進む。
yoshiの服を全て脱がして自分も全裸になる。
キスだけで止めようと思っていたのに、……豊川はそう思いながら、yoshiの脚を広げた。
******
喉の乾きで目が覚めたナオ。
いつの間にかソファーで寝ている事に気づき起き上がる。
毛布がかけられていて、豊川に運ばれたんだと分かった。
水を貰おうと、キッチンへ行くが勝手に飲んで良いのだろうか?と悩む。
もう寝てるかな?
奥の部屋へと進む。
次第に聞こえてくる喘ぎ声。
ドキンッとした。
喘いでいる声はyoshiのもの。
そして、激しく軋むベッドの音。
パンパン、と肌と肌がぶつかる音。
身体が硬直した。
愛し合っているものなら行うであろう行為。
こんなにも生々しい………。
想像だけでも嫌だった。
それなのにドアが少し開いているから止めれば良いのに覗いてしまう。
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