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愛の重さ 8話
拓海はギュッと豊川の上着を掴む。
「よおっ、相模じゃねーか、お前何やってんだ」
豊川の後ろにいた薫が、前に出て拓海と豊川を後ろに行かせる、真鍋の後ろから拓海を追ってきた相模にニヤついた笑顔を見せた。
「田中……」
相模は薫を見ると、うろたえる。
「このホテル、俺名義だって知ってた?」
「えっ?」
「だから、俺が怯える子猫ちゃん貰ってもいいよな?お前の趣味は奥さんや親父さんには黙っててやるから」
薫にニヤリと笑うとエレベーターのドアを閉めた。
「拓海、もう大丈夫だぞ」
豊川にそう言われ安心したのか拓海は意識を失った。
豊川は慌てて受け止める。
「最上階行くぞ、文句ねーよな?」
薫の言葉に「緊急事態だからな」と拓海を抱き上げ豊川は承諾する。
*******
豊川が付けたキスマークの上から上書きする為にキスマークをつける。
白い肌に赤いシルシはかなり目立つ。
大事にしてきた宝物に傷をつけられたようなショック。こんな事なら抱いておけば良かったなんて思ってしまう。
彼のやわらかそうな乳首に吸い付く。口の中で舌を使うと、コリコリと硬くなる。
豊川にもこんな風にされて、あんなに乱れて……
yoshi自身も腰を動かして喘いでいた。初めて見た乱れた姿。そして、喘ぎ声。
くそ!!僕のなのに!!
嫉妬がナオを支配する。
舌で身体中を舐める。随分前に彼にイタズラした時のように。
彼の白い肌を舌が這い、身体の下へと移動すると、子供のころには薄かった陰毛があり、直ぐに彼の陰茎があった。
それを迷わず口に咥え、上下に頭を動かす。
唾液で直ぐにグジュグジュと動かす度に卑猥な音がして、ピクピクと口の中で反応している。
口の中で大きく膨張したyoshiの陰茎を口から出すと手のひらに包み込むように握り、上下に動かす。
すると、yoshiの身体がビクビクと痙攣した。
眠っていても反応はするものだ。酔っている彼は起きる気配がない。
丁寧に彼の陰茎を舐める。茎も亀頭も丁寧に舌を這わせていく。
舐めている時に太ももにもキスマークを見つけて、嫉妬心が疼き勿論そこにも上書きをするように吸い付く。
吸い付いた後にナオは起き上がると彼の両脚を持つとM字開脚させた。
凄くイヤらしい……男を誘うような身体。
若い彼に夢中になる豊川の気持ちが分かる。
ナオは後ろ孔が見えるように下半身を持ち上げた。
さっきまで、男のモノを受け入れていたソコはヒクヒクしている。
ナオは指に唾液をつけ、孔へと入れた。
熱くて柔らかい。直ぐに挿入出来る程にほぐれている。
指を中で動かすと豊川にすっかり開発されてしまっているのか、yoshiは少し反応を示した。
奥へ奥へと挿れてゆき、出し入れを激しく繰り返す。
「んっ……」
yoshiの身体が揺れ、声が漏れる。
悪い事だと頭で理解しているくせに行為は加速していく。
このままだと、本当にyoshiを犯してしまう。
今までずっと心にあったストッパーは外れてしまっているのだろうか?
指を抜いて腰を持ち上げて、自分の勃起したものを後ろにあてがう。
力を入れて腰を動かせば、中へと挿ってしまう。
でも、
そこで止めた。
これはいけない行為だと、まだ理性が残っているようだ。
yoshiを上から見下ろして寝顔を見つめる。
ため息が出る。
こんな時までyoshiは綺麗で儚くて、 愛しい存在。
yoshiの唇が動いた次の瞬間、yoshiが目を開けてナオを見た。
身体が硬直してしまう。
この状態を言い逃れする言葉なんて無い。
どうしよう。
困惑した瞬間。
「ナオの好きにして良いよ」
とyoshiはナオを見つめて言葉にした。
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