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強さ 5話
「セーフだな」
豊川は寝室に戻りyoshiに笑いかける。
「ちぇ、つまんないの」
まだ膨らむホッペタを豊川はつつき、
「よい子で寝てたらご褒美をあげよう。何がいい?」
と微笑む。
「タケルのデカいチンコ」
「……………嘉樹、本当、お前は純粋そうな顔でそんなエロ事を」
苦笑いしてしまう。
「だって途中だったもんっ!タケルとエッチしたかったの!」
yoshiはプイッと豊川に背中を向ける。
「私だって、…………めちゃめちゃ抱きたいよ。四つん這いにして後ろから突いたり、両手縛った上に両足を広げたまま固定して楽しみたいしっ、気を失うまでやりたい」
とつい、力説してしまう豊川。
「………………たけるの変態っ」
yoshiは背中をむけたままに小さく呟く。
「お、お前がっ」
恥ずかしくなって弁解しようと声を張り上げる豊川にyoshiは振り向くと軽くキスをして、
「やっぱ、タケルからかうと面白い」
と笑った。
「嘉樹……」
さらに恥ずかしくなり顔を赤くする豊川。
「えへへ、そんな可愛いタケルも好きだよ。」
ニコッと笑うyoshiを怒る気はしない。
「でも、エッチしたいのは本当。繋がってたら安心するもん、タケルは俺のモノだって」
本当に可愛い小悪魔だ。
やばいくらいに理性が飛びそうでクラクラくる。そして、部屋の呼び鈴が鳴りマコトが到着した。
ドアを開けると心配そうなマコト。
「yoshiくんは?」
「悪いなマコト」
豊川はマコトを中へと入れる。
「そんな、いいよ!タケちゃんが頼ってくれるの嬉しいし、yoshiくん心配だし………熱だけ?喘息は?」
「咳は出てないよ。熱も電話で言った通り、ストレスだと思う」
yoshiに聞こえないように小声で話す。豊川はある程度の事をマコトに説明していた。
「あと、爪噛まないように気をつけてくれないか?」
「えっ?」
「あの子の癖なんだよ。不安な時や寂しい時に……もし噛んでたら怒らないで手を握ったり、話かけたり不安を取り除いて欲しい」
「うん。分かった」
マコトは快く引き受けた。
「タケちゃんって、本当にyoshiくんの事良く分かってるよね?凄い」
マコトは豊川とyoshiが恋人同士だと知らないからひたすら感心している。
「コウちゃんも見習って………あっ、コウちゃんにも言ったのyoshiくんの事?」
マコトは思い出したように光一の名前を口にする。
「はっ?光一に?いいや?」
怪訝そうな表情を見せる豊川にマコトはおかしいな?と首を傾げながら「さっきyoshiくんは何が好きか?とか電話してきたからさ」と言う。
電話?
豊川はテーブルの上で着信を知らせる点滅ランプが光る携帯をみた。
着信は光一。
メッセージが1件。
何入ってるかは想像がつく。
「光一来るだろうなあ。仕事ほっぽり出して」
その言葉にマコトは頷く。
「もし、来てもちゃんと仕事には行かせるから大丈夫だよ」
ニコッと微笑むマコトは意外と光一を扱うのが上手い。
「頼んだ」
豊川はマコトの肩をポンと叩く。
yoshiが居る寝室で2人で入ると彼が嬉しそうな顔をして起き上がろうとする。
「わあっ、yoshiくん寝てて」
マコトは慌ててyoshiの身体を押さえつける。
「マコちゃん過保護。たけ、……豊川さんと変わんない」
yoshiはつい、豊川をタケルと呼びそうになり少し慌てた。
「過保護にもなるよ!こっちはyoshiくんが赤ちゃんの時から知ってんだからね」
「うん」
ニコッと笑うyoshi。
「じゃあ、私はもう行くからマコトのいう事ちゃんと聞いて寝てなさい」
豊川はyoshiの頭を撫でる。
「うん。ちゃんと真っ直ぐ帰って来てね」
「当たり前だろ?」
豊川の笑顔にyoshiは安心したように笑う。
「マコト、夜9時までには戻るからそれまで嘉樹をよろしく」
豊川は時計を確認する。
「もちろん。タケちゃん行ってらっしゃい」
マコトが手を振るとyoshiも「行ってらっしゃい」と手を振った。
「行ってきます」
と豊川も手を振り部屋を出る。 後ろ髪を引かれる思いだった。
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