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強さ 8話

「yoshi君、タケちゃんの事もタケルって呼び捨てしてるの?」 何気ない疑問。 その疑問にあからさまに反応してしまうyoshi。 マコトだから気を許していたのかも知れない。 マコトはきっと分かってくれる。  何故かyoshiはそう思って、  「マコちゃん……俺とタケル…付き合ってるんだ」 とカミングアウトしてしまった。 「えっ?」 マコトは目を見開いてyoshiを見つめる。 冗談?……ですか? でもyoshiはそんな冗談を言う子ではないし、 付き合っていると言葉にした彼は顔が真っ赤で、嘘を言っているように見えない。  「いつから?」 何て返して良いか分からず出た言葉はソレだった。 「い、いつからって、えっ?マコちゃん何言わせる気」 かなり顔を赤らめうろたえるyoshiにマコトは一瞬キョトンとなるが、彼が何故にうろたえているか理解したように「yoshi君落ち着いて、変な意味じゃないよ!いつから好きだったの?って意味だよ」とテンパるyoshiを落ち着かせるようにそう言うと、yoshiは我に返り恥ずかしそうな顔をした。  「うっ、ごめん……エロい意味でとった」 「あはは、……って、yoshi君、タケちゃんと付き合ってるんだ」 改めて質問されると照れる。 「うん」 しっかりと頷いて返事を返す。 「なんだ。そっか、タケちゃんが恋人なら安心だね」 マコトはニコッと微笑む。 その笑顔にyoshiは、やはりマコトは思った通りの反応をしてくれて嬉しくなる。 「マコちゃんに話して良かった」 安心したように笑うyoshiを見てマコトも嬉しくなる。 きっと、最大な秘密なはずだ。 マコトに隠して過ごす事だって出来るはずなのに、それを告白してくれる。こんなに嬉しい事はない。 「何で教えてくれたの?」 嬉しくて、そう聞いてみる。 「マコちゃんだから。それに……なんかタケルの事、自慢したくて」 幸せそうに笑うyoshi。 「ありがとう。ふふっ、タケちゃんの事そんなに好きなんだ?」 「うん。めちゃくちゃ好き!俺の自慢」 即答するyoshiが本当に可愛い。 付き合っていると聞いて、全ての事を納得できた。  豊川がyoshiの事を良く理解している事も、  yoshiが豊川に必要以上に懐いている事も………。 ああ、そっか……タケちゃんがyoshi君を見る目は友人の息子に対する親しみの目じゃない。 愛する人を見つめる時の目だった。凄く優しく、愛しむように。 yoshiもそうだ。 豊川と居る時は無邪気なyoshiなのは自分を守らなくて良いから。 自分を偽る事なく自然体で居られる。だからだ。 「yoshi君は見る目あるよ。タケちゃんは完璧だし、もちろんタケちゃんも見る目あるねyoshi君は可愛いし良い子だし……凄くお似合いだよ」 「本当?俺達お似合いカップルに見える?」 嬉しそうなyoshiの顔。 「見えるよ。後……タケちゃんがyoshi君をめちゃめちゃ甘やかして溺愛してる姿が想像できちゃう」 マコトの想像を遥かに超えた豊川の溺愛っぷりは今後見れる事となるのをこの時はまだマコトは知らない。 「うん。タケルは優しいよ。いつも抱っこして寝てくれるし」 ニコニコして答えるyoshiにマコトもニコニコとなるが、……『いつも抱っこして寝てくれる』と言う言葉の意味を深く考えると、いや、考えなくても分かるが、 そっか……大人な関係も済んでるよね?とっくに。 と考えると赤面ものだ。 そっかタケちゃん……。 yoshiをチラリと見る。 綺麗で可愛くて若さが溢れる彼。 うん。  どんな女の子よりも可愛いよね。 そして何より豊川が特定の誰かと付き合うのを久しぶりに見る事が出来たかも知れない。 結構、引きずってたもんなあ。 薫だっけ? まともに付き合ってたのって、あの人くらいだよなあ。 「でも、マコちゃんって偏見ないんだね」 yoshiの声で我に返る。 「えっ?何が?」 「同性愛にだよ。海外だって理解ありそうに見えるけど差別はやっぱりあるし、特に日本はそんなに同性愛者は受け入れられてないでしょ?」 「そうだね。日本はまだまだだもんね。でも、そんなのどうでも良いじゃない?誰かを好きになるって素晴らしい事だよ?」 マコトはニコリと微笑む。

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