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強さ 15話
「前にさ嘉樹と義父の写真見たんだ。俺が知らない嘉樹がそこに居て、義父と本当の親子みたいに見えてさ、義父は凄く嘉樹を可愛がってくれてたんだって、その写真みただけで分かった。……俺は何やってたんだって、凄く後悔した。初めての家族だったのに、手を離してしまったんだ」
もう、取り返しがきかない過去。
今更、悔いるくらいなら……そう考えてしまう。
「コウちゃんはどうしたい?」
マコトの問い掛け。
難しい問い掛けではないのに光一は答えを捜すように目を伏せた。
「過去ばかり見てはダメだよコウちゃん。反省は大事だけどさ、後悔ばかりしてもyoshi君の辛さが消えるわけじゃない……でしょ?」
確かにマコトの言う通りで、どうにかしたいなら行動を起こさないとダメなのだ。
「コウちゃんが今出来る事をyoshi君にしてあげたら良いじゃない?」
「……俺が出来る事?」
もしかしたら凄く簡単な答えかも知れないのに、今は何も浮かばない。
「小さい頃、愛情をあげれなかったのら今あげたら良いし……きっとコウちゃんが出来る事沢山あるよ」
「俺……嘉樹に思い出して欲しい。そして、謝りたい……嫌われて、罵られても、それでも俺を思い出して欲しい」
光一は顔を上げてマコトを見た。
そうだ……自分は思い出して欲しいのだと分かった。
小さい頃愛せなかった分、愛してあげたいと思う。
「ふふ、良く出来ました!コウちゃんはぶつくさ文句言うけど、最後はちゃんとやる人だもん。大丈夫、コウちゃんなら出来るよ」
マコトはそう言って微笑む。
なんか凄い勇気を貰った気がして光一も笑う。
どんな事があってもyoshiを守りたい。
そんな強さが欲しい。
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