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記憶 7話
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「コウちゃん早いね」
豊川のマンションの前、マコトに声を掛けられた光一。
「マコトもな」
時間は8時前、拓也に言われるまでもなく、来るつもりだった。調子悪そうだったyoshiが気になる。
体調よりも心の方が…凄く気になるのだ。
死んだ義父をあんなに慕い、会いたがるyoshi。
少し凹む。
部屋番号を押してチャイムを押すが、反応がない。
「マコト、豊川ってもう、仕事?」
「えっ?いるは…ず」
つい、さっき豊川に仕事を休むとメールが来てて、yoshiの荷物を運ぶからと。だから居るはず?
あっ……、 マコトは光一の腕を掴み「コウちゃん、もうちょっとしてから来ようよ」と気を使う。
「へ?何で?」
2人が付き合っている事を知らない光一は何故、もうちょっと……とマコトが言うのかとキョトン。
「いいから、まだ寝てるんだよ、きっと」
光一を引っ張り歩き出す。
「仕事は?」
ズルズルとマコトに引きずられてその場を離れる。
居るはずなのに出ない…そしたら、ねえ?
恋人同士だもん。マコトはちょっと顔を赤らめた。
*****
「だ……れ?」
息が荒いyoshiは豊川の下でチャイムの音を気にしていた。
豊川は、マコトにメールでyoshiの荷物を取りに行くと連絡をしていたのですぐにマコトだと思った。
迂闊…そっか、マコトの性格なら手伝い来るよな。
でも、 yoshiの中は気持ちが良くて途中で抜きたくない。
ぐっと奧を刺激するように腰を早く動かす。
「あっ、たけ……出なくて良いの?」
身体をビクビクと刺激に反応させながら聞くyoshi。
「嘉樹、私にだけ集中してろ」
豊川はyoshiを抱き込む。
「でも」
「このままおわずけにするぞ」
「やだ」
yoshiはぎゅっと豊川に抱きつく。
「じゃあ……ほら、集中しなきゃ」
ギシギシとソファーの揺れが激しくなる。
「あー、あっ、たけ、…あっ」
激しく揺さぶられyoshiは豊川にしがみつき、果てる。
そして豊川もyoshiの中へと射精した。
はあはあっと互いに息を整えながら、まだ余韻に浸る。
yoshiの手が豊川の顔に触れ「タケル、顔エロい…」と前髪にも触れる。
「嘉樹はいく時が凄く可愛く」
と微笑む豊川をyoshiはじっと見ている。
「そんな見るな恥ずかしいだろ?」
「だって飽きないんだもん。ずっと見てたい。これからはずっと見ていれるんだよね?嬉しい」
素直に喜ぶyoshiは可愛くて、豊川もずっと見ていたいと思う。
「嘉樹…そんな可愛い事言うからデカくなってきた」
「タケル……エロい」
「仕方ない。嘉樹が好きでたまらないんだから」
「嬉しい、うん。俺も好きタケルがすきっ」
yoshiは豊川にしがみつくとまだ豊川のモノが入ったままだから、自ら腰を動かす。
こすりつけるように下でyoshiが動きだし、
「あっ…」
刺激された豊川は声を出す。
そして、 yoshiを抱き起こして座ったままに「もっと動いて…」と耳元で囁く。
「んっ…」
yoshiは豊川の首筋を吸い上げると、ゆっくりと腰を前後に動かす。
「嘉樹…もっとだ。もっと動いて」
「たけ…るも…動いて」
yoshiの息は次第に上がっていく。
「んっ……すきっ、たける…」
豊川の耳に届く甘い乱れた声。 yoshiは豊川の動きが激しくなり、必死に彼にしがみつく。
タケル…すきっ、 タケル以外、もう誰もいらない。
前髪を下ろした豊川が若くて、何かを思い出しそうだった。
若い豊川に抱き締めて貰ったような感覚に襲われて嬉しいはずなのに怖くなった。
何で怖いのか分からない。誰かを思い出しそうで怖い。
「たける、激しくして」
怖さを消したくて、豊川にきつく抱き付く。
豊川はyoshiの身体を激しく揺さぶり、 やがて、2人で果てた。
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