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ボーダーライン 4話
◆◆◆◆
「え~、なにこの写真!可愛い」
光一は貰った写メをマコトに見せた。
「この制服って僕らの行ってた高校の制服だよね?誰の制服?」
「豊川だよ。嘉樹はアイツの実家に居るから」
「えっ?タケちゃんち?確かにタケちゃんちならyoshiくん、ゆっくりできるね」
「そうだな」
返事を返す光一は少し元気がない。
「どうしたの?タケちゃんにやきもち?」
直ぐに気付くマコト。
「常にやきもちは妬いてるよ、嘉樹は豊川ベッタリだから……豊川はいつも嘉樹の為に動いてるなあってさ……身体の事を考えてホテルじゃなくて、家とか……それに」
光一は制服姿のyoshiを見つめる。
「………手を離した自分を殴りたくなってるんだよ。」
制服を着て学校へ通う姿を想像したら、胸がしめつけられた。
「コウちゃん」
心配そうに光一をみる。
「あーーー、くそ!!落ち込むな俺!!」
光一は頭を振り、凹む気持ちを飛ばそうとしているようだ。
でも、そんなのじゃ無くならないのだけど、それでも、動いていないとどうにかなりそうだった。
「でも、見れたじゃん、今。……yoshiくん、凄く似合ってる」
ニコッと笑うマコト。
「………うん、そうだな。似合ってる」
「もてそうだね。コウちゃんやタケちゃんよりきっと、モテそう」
「当たり前だろ?俺の子だ!」
どや顔する光一をみて、マコトは微笑む。
◆◆◆◆◆
「もううう!タケル、なんで邪魔すんの?」
料理をするyoshiを後ろから抱きしめたまま離れない豊川。
「邪魔してるんじゃない。甘えてんの」
その切り替えにyoshiは笑いだす。
「いつもと逆だね」
「そう?」
yoshiのお腹の辺りにある手はシャツのボタンを外しだす。
「ちょ!!タケル!!」
「もう直ぐ作り終えるだろ?私は勝手にやるから、続けて」
「できるか!!」
yoshiは豊川の手を退かそうとするが、手は下半身へ。
むにゅとジュニアを掴まれる。
「やあっ」
思わず声がでた。
「だ、だめ……たける」
「手をそこについて」
ダメといいながらyoshiはシンクの端に掴む。
豊川に触られるのは気持ちいいから好きだ。
だから、従順になってしまう。
ジュニアをしごかれ、息が荒くなる。
「んっ、たけ……る」
ギュッとシンクを握り、快楽を受け入れていく。
強くしごかれyoshiは次第に立っていられなくなりそうなくらいに足がガクガクと震えてきた。
「でちゃう……もう、だめ……汚しちゃう」
yoshiはジュニアをしごく豊川の手を退かそうとするが力が入らない。
「タケル……だめだって」
豊川の方を振り向いて静止しようとするが唇を塞がれた。
もうだめ……いっちゃう。
yoshiは力が抜けたように豊川の方へと倒れ込んだ。
「ダメって……言ったのに……」
豊川の手のひらにはyoshiの精子がベッタリ。
「洗えばいいよ」
「そういう問題?」
豊川はyoshiを支えたまま、手を洗う。
「タケルのばか!立てないから続き作れない!!」
むううっと怒った顔で豊川を見る。
「やってあげるよ。詰めるだけだろ?」
「そうだけどさ!もう、邪魔ばっかりして!」
「やきもちだよ。他の男の為に弁当を作るから」
yoshiはへっ?と驚くような顔。
「言っただろ?ヤキモチ妬くって」
yoshiはえへへっと嬉しそうに笑って、
「ヤキモチ妬いて欲しいから、アイツに毎日作ろうかなあ?」
と言った。
ヤキモチ妬くのはおかしいかな?相手は彼の血の繋がった父親。
でも、弁当を作っているyoshiは楽しそうで……自分に見せる顔とはまた違う顔。
喜怒哀楽をちゃんと見せるようになってくれて喜ばなきゃいけないのに、心の奥底に住んでいる小さな嫉妬がプカリと浮いてくるのだ。
凄くワガママなんだけど、笑顔や良い顔は全て自分だけに見せて欲しい。
こんなに独占力を持っていたっけ?なんて不思議に思う。
yoshiが初めてだ。こんなに嫉妬して、こんなに独り占めしたいと思ったのは。
彼がヤキモチ妬く相手も、幸せに感じる相手も、自分だけでいい……
抱きしめて、閉じ込めて大事にしたい。
でも、それはエゴだ。
分かっている。
だから、心の奥底へと沈めなければいけない。
yoshiを椅子に座らせると続きを始める。
「キッチンに立つタケル好きだなあ」
「ん?そうか?」
振り向かずに返事をする。
「カッコいいもん」
「ありがとう」
「ねえ、こっち向いてよ。なんか寂しい」
可愛い願いに振り向くとyoshiは既に背中にいて、後ろから両手を回してきた。
「タケルも俺以外に料理とか作んないでよね」
拗ねたような表情に笑みがこぼれてしまう。
「当たり前だろ?」
「うん、……じゃあ、仕返し!」
yoshiはそういうと、豊川の股間へと手を伸ばして、ファスナーを下げた。
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