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COLOR 8話

ベッド?  今、ベッドって言った?  光一が悩んでいると、彼は寝室へと移動し慌て後を追う。 「なんでベッド?」  聞いてはみるがyoshiはもちろん答えず、ベッドに腰掛けるといきなり着ている服を脱ぎ出す。  えっ? えっ?  なにして?  混乱する光一の前でTシャツを脱いで上半身裸になった彼の胸元には指輪が通された鎖が光る。  指輪?  男物の指輪。  指にはめても良いだろうに?なんて不思議そうに見ているとyoshiが顔を上げた。  『アンタはどうする?自分で脱ぐの?俺が脱がせるの?』  yoshiは光一の着ている服に手をかける。  はい?  彼の手により上着を脱がされそうになり、光一は今置かれている状態を理解した。  まさか、  まさか、誘われている?  「まて!ストップだ!ストップ!」  上着を脱がそうとする手を掴む。  「とりあえず服着なさい!な?風邪ひくだろ?」  かなりテンパりながら光一はyoshiの手を掴んだままベッドから離れようとしたが、彼の足に引っかかりベッドに2人で倒れ込んだ。  光一が上で彼が下。  押し倒す構図。  『そんなに溜まってんの?あんま、乱暴にしないでよ』 yoshiは光一の手をどかすと、首筋に手を回した。 ちょ、  見下ろした彼は綺麗だ。  色気さえ感じる。  幼い顔のくせに男を誘う色気。  光一の手は彼の顔に触れた。  やわらかい肌。  昨日抱いたリナよりもやわらかくて、すべすべしている。  透明な感じ。  睫毛も長くて、唇もやわらかそうで触れたくなる。  yoshiが目を閉じる。  そそる色気。  薄く開いた彼の唇にキスを落とそうとした瞬間。  チャイムが鳴った。  それで我に返った光一は慌てて、yoshiから離れドアに向かった。  「豊川」  ドアを開け、豊川を部屋に招き入れた。  「通訳してくれ、ヤバい状況なんだよ」  凄い剣幕ですがってくる光一。  「ヤバい?何してるんだ」  光一と一緒にベッドルームへと入った豊川は驚く。  ベッドには上半身裸の少年。  『はあ?3P?マジかよ。金は2人分取るからな』  ベッドの上の少年は面倒くさそうに言った。 yoshiが話す言葉を聞き取った豊川は目を見開いて光一を見て、  「お前、未成年者になにするつもりだったんだ」  と聞いた。  豊川の質問の意味をすぐに理解した光一は、  「何もしてない!彼がいきなり服を脱ぎ始めたんだ!」 と弁解した。  焦る光一にため息をつくと、yoshiに視線を向け、 『とりあえず服を着て、私達は君が考えているような事はしない』  豊川はそう言いながら、彼が脱いだ服を拾うと手渡しをする。  『アンタ、英語上手いね』  yoshiはそう言って微笑む。  『彼よりは…ね。』  と光一をチラリと見て、  『それよりも何故、君は服を脱いだんだ?説明してくれる?』  服を着ているyoshiに話しかける。  『あの人に買われたからだけど?』  『は?』  豊川はきょとんとなる。  『金、沢山出すみたいに言ってたからさ』  yoshiの言葉に、  「彼はお前に買われたって言ってるぞ」  呆れたように光一を見つめる。  「はあ?買う?なんで?」  かなり驚いたのか光一の声は大きい。  「声がデカい!お前なんて言って彼に声掛けたんだ?」 「なんてって、…君が欲しい的な?」  光一の言葉に豊川はため息をまたつくと、  「そりゃ誤解するな…、お前英語を中学からやり直せ」  そう言った。  「なん、何だよ誤解って!」  指摘にムッとして抗議する光一を無視するとyoshiへまた視線を向け、  『彼の英語は中学生以下なんだ。ちょっとした誤解だ。本当は君をスカウトしたつもりだったんだよ』  説明を入れて優しく微笑む。  『スカウト?』  『君の歌声に興奮して彼から電話を貰ったんだよ。彼はああ見えてプロデューサーなんだ』  『プロデューサー?』  『そう、…で、私がプロダクション社長の豊川だ』  豊川はyoshiに名刺を渡す。  もちろん英語で書かれた名刺だ。  『スカウトってショービジネス?』  『もちろん』  微笑む豊川をじっと見つめたyoshiは一息つくと、 『興味ない』  と名刺を返した。  『考えてくれないか?君の歌声は電話越しで聞いたけど、光一は見る目ある』  説得するように言う豊川を避けるようにベッドから立ち上がると歩き出そうとする。

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