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COLOR 9話

『待って、まだ話は終わってない』  豊川は歩きだしたyoshiの腕を掴む。  凄く細くて、少し驚いた。 男の子だけれど、彼は女の子みたいに色白で細い。強く掴むと折れてしまうんじゃないかと思う。細くて壊れそうな目の前の彼は気が強い瞳で豊川を睨みつけている。そして、 『興味ないって言ったんだ。それに誤解だったんだろ?だったら、もう用はない!!』  yoshiは掴まれた腕を振り払おうとする。 でも、力は豊川の方が上。振り解けない。 『君は光一と寝るつもりだったのか?』  『だったら何?俺はあいつが金をくれると言うから来たんだ』  『君は、いつもこんな事してるのか?未成年だろ?ご両親は知ってるのか?』  『未成年じゃねーよ、それに親も居ない!生活の為だよ悪いか!』  掴まれていない方の手で豊川の手をどかそうとするが、その腕も掴まれた。  『離せよ!』  豊川は必死に抵抗するyoshiを引っ張るようにソファーがある部屋に連れて行き無理やり座らせた。  『生活の為?だったらスカウトに乗った方が金になるだろう?』  1人用のソファーに座らせられたyoshiは抵抗するが両手を押さえ込まれ立ち上がれない。  『アンタに関係ない!離せよ』  抵抗をしてみるが豊川の腕からは逃れられない。  「何話してんだよ、彼かなり嫌がってるみたいだぞ、離してやれよ」  2人の激しいやり取りを心配した光一がハラハラしながら声をかける。  『そうだよ、嫌がってんだろ!離せよ』  yoshiは豊川を睨む。  『余計に離したくなくなったな。』  『はあ?意味わかんねえ!俺は用ないって、』  「こっちはあるんだよ。」  『しつこい!俺は用はないよ』  ジタバタと暴れるyoshiに豊川は微笑むと、  「やっぱ君、日本語話せるね」  と言った。  「えっ?嘘?」  光一は驚いている。 yoshiも少し驚いたように豊川を見上げた。  「光一の言葉に反応しただろ?それに私が途中から日本語に変えたのにちゃんと返事を返した」  そう言われたyoshiはチッと舌打ちをすると、  「喋れるよ日本語。」  と綺麗な発音の日本語を話した。  「はあ?」  光一はまた驚き声がデカくなる。  「どうして話せない振りしてたんだ?」  「アンタらみたいにスカウトしてくるヤツらを交わす為だよ、それに女の子も馴れ馴れしく触ってくるしさ」  面倒くさそうにyoshiは説明した。 「待てよ、だったら俺が言った事全部理解してたのに服とか脱いだのか?」 光一の眉間にシワが寄る。 俺……こんなガキにからかわれていたのか?なんて、イラつく気持ちがどこからともなくフツフツと沸いてくる。 「そうだよ、アンタが俺が欲しいとか下手くそな英語で話しかけてくるから、からかったんだよ」 悪いかよ、と言わんばかりに生意気な態度を取るyoshi。 やはり、からかわれていたのだ。 「大人をからかうな!それにアンタって何だよ、年上に対して何てガキだ」 光一は大人気なく、怒りだす。ここら辺りは全く成長していない。良い年をした大人なのに。 「誰が大人だよ、中学生以下の英語しか話せないくせに」 yoshiも負けずに言い返す。 その言葉にカチンとくる光一。本人だって、英語力がないのは気にしていた。 なので、売られた喧嘩は買う。 「生意気なガキだな、親の顔見てみたいよ」 と子供みたいな事を言う。 「親なんていねーし」 そう言ったyoshiの顔が一瞬寂しそうに見えて、光一も言ってしまった言葉を後悔した。 「用済んだんだろ、離せよ」 yoshiはすぐに生意気な顔に戻ると豊川を睨んだ。 「スカウトには乗らない?」 再度聞く豊川にウンザリしたような顔でyoshiは「めんどくさい」と返した。 「誤解だって知ってたのについて来たのはからかう為だけじゃないだろ?それに本当に光一に襲われたらどうするつもりだったんだ?」 「豊川、襲うって!人聞きの悪い」 光一は文句を言う。 「襲われたら?金くれんならヤったよ。それにソイツ俺とやる気満々だったみたいだし」 yoshiはさっきの行為の事を言っているのだと光一はドキッとした。? 確かに、豊川が来なかったらあのまま… いや、違う!やらない!? 光一は首を振る。 「光一、お前…」 豊川は疑うような目で光一の方を見る。 「や、やだな~俺がこんなガキんちょと…しかも男だぞ」? キッパリと違うと否定してるつもりだが光一はしどろもどろだ。 またか…と豊川はさらに深くため息をつく。 「あー、何ため息ついてんだよ!」 「お前、顔が好みなら子供でも男でも良いんだな」 「だから違うって!」 必死に否定する光一。 「アンタ、俺を押し倒してキスする手前だったじゃん」 yoshiはニヤニヤしながら言う。

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