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子猫 4話
「思い出してくれた?」
嬉しそうに聞くマコトにyoshiはニッコリ笑うと、
「うん、まこちゃん!懐かしい」
そう言った。
「嘉樹くん大きくなったね。カッコ良くなっちゃって!小さい時は女の子みたいだったのに」
懐かしさに思わず涙ぐむマコトにyoshiは、
「オジサンくさい事言わないでよ。まこちゃんは全然変わらないね」
と笑う。
「もうオジサンだよ」
「まこちゃん結婚は?」
「独身だよ。嘉くんは彼女出来た?格好いいからモテるでしょ?」
「今は居ない、日本に来る前に別れたから」
「そう?すぐに出来そうだけど?でも二十歳かあ~そっかあ!ね、真っ直ぐ立ってみて」
マコトははしゃぐようにyoshiを真っ直ぐ立たせる。
「背伸びたね、僕は追い越されちゃった」
マコトと並ぶyoshiはマコトより背が高い。
「本当だ、まこちゃん縮んだ?」
yoshiは冗談っぽく笑う。
「嘉くんが大きくなったんだよ。16年かあ~昨日の事みたいなのに、月日って流れてるんだね」
「だからオヤジくさいよ」
クスクスと笑うyoshiにマコトは成長を感じていた。
彼が赤ちゃんの頃から知っていて、女の子みたい可愛くて、自分に凄く懐いてくれて……手を繋いで公園まで行ったのが昨日の事のように思えるのに、目の前に現れた彼は大人になっている。
自分の手のひらに包まれていた手はすっかり、男性の手だ。
16年……自分では感じない時間がこうやって、成長という月日を見せられ、嬉しくもあるし、寂しくもある。
人数分のカップを持ちyoshiは光一達が座るテーブルに来た。
それぞれの前に順番にカップを置いていくyoshiの手を自分の前に出された瞬間に光一は彼の手を掴む。
ちょっと驚いてyoshiは光一を見た。
「くそガキ、お前、俺を知っていてからかったな!」
光一は掴んだ手に力を入れたまま、yoshiに文句を言う。
「痛、なんだよ、離せよ!」
yoshiは手を振りほどこうと必死になる。
「ふざけやがって!親をからかうなんて100年早いんだよ!」
「誰が親なんだよ、離せよオッサン!まじ最悪!」
悪態をつきつつ、手を振りほどく事にyoshiは必死になる。
「何が最悪だ!お前が最悪だろ、こっちはどんな風に成長してるかな?とか思ってたのに」
「はあ?意味わかんねえー事言ってないで離せよ。やっぱ警察呼んだ方がいいみたいだな」
「あー、もういい加減にしろ!光一、手を離せ」
言い争う2人の間に豊川が入った。
光一の手を引き剥がすとyoshiの手は赤くなっている。
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