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子猫 7話
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「すみません、お待たせして」
「あっ、嘉樹くんは?」
ナオが戻るとすぐにマコトが声をかけてきた。
「大丈夫です。ちょっと混乱したみたいで」
ナオはそう説明をしてマコトに微笑む。
穏やかそうな優しい笑顔の彼を見ると、ああ、大丈夫かな?とマコトも安心する。
「お話の途中でしたね」
「…さっきの会話」
豊川はyoshiとナオの会話の意味を早く知りたくて話を切り出す。
「英語、お分かりになるんですね」
すぐに察した彼は豊川に微笑む。
「何だよ、さっきの会話って!」
かなり気になるのか、光一は豊川をつつく。
「説明して貰うから黙ってろ、すみません話を」
光一に一喝する豊川。
「そうですね。ちゃんと説明します。でも、その前聞きたいのですが僕に連絡して来たのは記事のせいですか?」
ナオは真っ直ぐに光一を見つめている。
光一を見つめるのは父親だから。
無責任だけど、血が繋がった父親。
ナオは全てを見透かしたような瞳をしていて、光一は思わず目をそらしそうになるが、そらすと負ける気がする。
「正直に言うなら、記事を見たからだ。…でも、誤解しないで欲しい。知らなかったんだ。美嘉が死んだ事も、嘉樹が日本に戻っている事も…無責任だと思うかも知れないけど美嘉との約束だったんだ。二度と会わないって」
光一はそう言って涙ぐむ。
「…そんな約束していると、昔聞いた事があります。二度と会わないと約束したのに今現れたのは何故ですか?」
「記事を見て…母親が亡くなっているのを知った。寂しい思いをしているんじゃないかって気になって、佐久間に調べて貰ったんです」
「そうですか、でも、その割にはyoshiをスカウトしたんでしょ?息子だと気づかずに」
ナオは見透かしたように質問をする。
光一はドキリとくる。
口から出任せのセリフに涙ぐむ猿芝居。
手ごわいかもしれない。
「成長を見逃した父親は損ですね」
ナオの言葉攻撃は更に続く。
「ここに来たのはスカウトの延長ですか?もし、そうならお話はここまでで帰っていただきます」
一筋縄ではいきそうにもない。
光一は言葉を探す。
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