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やきもち 2話
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「ねえ、あの子迷子かな?」
ナオと久しぶりの買い物を楽しんでいる途中、yoshiは同じ場所をウロウロしている子供を見つけた。
小学校低学年くらいの男の子。
yoshiとナオは思わず男の子の近くで親らしき人物が居ないかを見てみる。
数分見ていても男の子の側には保護者らしい大人は居ない。
アメリカなら親は逮捕されるレベル。
小さい子供を長い時間1人にしていると幼児虐待にあたるのだ。
誘拐され兼ねないし、yoshiは男の子に近付き、
「どうしたの?」
と聞いた。
yoshiの声に振り向いた男の子は不安そうな顔で涙目だ。
「ママとかとはぐれたのかな?」
yoshiは男の子の視線に合わせるように姿勢を低くして微笑みかける。
「ここに行きたいの」
男の子は住所が書かれた紙をyoshiに見せる。
書かれた住所と男の子が居る場所は随分と離れていた。
「1人?大人と一緒じゃないの?」
「お父さんがここに居るの」
「ああ、お父さんに用事なんだね」
「うん」
男の子は可愛い笑顔を見せた。
「でも、ここまで1人で行くの大変だよ。電車とか乗らないと無理だし、お金は持ってる?」
「あるよ」
男の子はポケットから財布を出す。
中身は交通費としては充分な額。
「ナオ」
yoshiの後ろでやり取りを見ていたナオの方へ振り向く。
「一緒について行ってあげたいんだろ?」
yoshiが言葉にしなくてもナオは分かってくれているようで微笑んでくれた。
「うん。いい?」
「もちろん、僕も心配だしね」
ナオの了解を得て、yoshiはまた男の子の視線に合わせるように姿勢をおとすと、
「一緒に行ってあげるよ。」
と微笑む。
男の子は嬉しそうな顔をして「ありがとう」と 素直にお礼を言った。
「名前は?俺は嘉樹。こっちはナオ」
「智也」
男の子は元気な声で答えた。
yoshiとナオは智也と名乗った男の子と一緒に電車に乗る。
ちょうど席が3人分空いており、智也を真ん中にし、席に座った。
「智也くん、いくつ?」
「8歳」
yoshiの質問に智也は素直に答える。
「8歳かあ。8歳ならまだ大人と一緒に居なきゃダメだよ。もしかしたら悪い大人に誘拐されちゃうかも知れないし、あっ、俺らは悪い大人じゃないからね」
yoshiは注意しながらも自分とナオをフォローする。
「うん。お兄ちゃん達優しいし、嘉樹お兄ちゃん大人じゃなくて子供でしょ?僕のお兄ちゃんと同じくらいに見えるもん、だから、こっちのお兄ちゃんと一緒に居るんでしょ?」
ニコニコとyoshiに笑いかける智也に悪気があるわけじゃない。
ナオはすでに笑いをこらえている。
「智也くんのお兄ちゃんっていくつ?」
「今度、お誕生日がきたら15だよ」
「中学生かよ…」
yoshiはちょっと落ち込んだ。
童顔な彼は高校生によく間違われいたが、中学生に見られたのはかなりショックだ。
しかも相手は小学生。
そんなに童顔なのかな?と今すぐに鏡を覗きたくなった。
「智也くん、俺さ二十歳なんだよね。中学も高校もとっくに卒業しているよ」
子供相手にむきになるも嫌だけど、一応は否定しとかないと。
「そうなの?でもカッコイイから良いじゃん」
何が良いか分からないけれど、智也のフォローにとりあえずは礼を言った。
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スタジオに向かう途中、女性とぶつかりそうになり光一は慌てて女性に謝ろうと顔を見た。
「リナ」
つい最近別れた愛人。
「あれ?珍しいね」
リナには気まずさは感じられず、もちろん光一も別れたからと無視したり、意地悪したりはしない。
ただ、恋人では無くなっただけで普通の友人に戻った。それだけ。
「ドラマの収録か?」
「うん」
「じゃあ、拓海に挨拶でもしとくか」
冗談ぽく言うとリナは小声で、
「まだ告白してないんだから余計な事しないでよね」
と言った。
そして、何事も無かったように光一達に軽く頭を下げて歩いて行った。
「修羅場になるかと思った」
マコトはハラハラしていたようだ。
「そんなのにはならないさ。お互い割り切って付き合ってたんだから」
「アキくん居なくて良かった。」
リナファンのアキが見ていたら号泣したかも知れない。
付き合っていた証拠を目の前で見たのだから。
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