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ワガママ
謝るタイミングがこんなにも難しいとは思わなかった。
まあ、自分が気にしなかったり相手が謝ってきたり、そんなんばっかりだったもんだからかも?
yoshiには無視されっぱなし。
「あー、もう!」
思わず口に出してしまい、周りの視線を集め、光一は咳ばらいをする。
「新崎さん」
名前を呼ばれ振り向くと拓海が立っていた。
あれ?撮影ってこっちだっけ?なんて考えながら手を上げて軽く挨拶をする。
「何してんだ?」
「今日は雑誌撮影」
へえ~と返事を返しながら、ふと、ナオと一緒に居た事が気になった。
「ナオと仲良しなのか?」
「仲良し…ですね。とても」
とても。に意味を込めて拓海は答える。
「でも、yoshiとは仲良くないよな?」
なんせ、虐めていた。
「すみません、可愛いから虐めてしまったんですよ…嘉樹って豊川さんとこの新人じゃなかったんですね」
「うん、まあ…今朝からはスタッフになってるけどね」
「スタッフ?スカウトじゃなく?」
拓海は意外そうに聞き返す。
正直、同じ世界に彼が来るのかと思っていた。
拓海から見てもyoshiは良い逸材に見える。
「スカウトは既に断られてるよ」
「諦めてスタッフに?」
「いや、諦めてないからスタッフにしたんだよ…」
そう、諦めない!絶対に!
光一は強く思う。
「へえ~この世界に入ったら、また虐めちゃおうかな」
拓海はニヤニヤする。
「それは止めろ!ナオにも叱られるんじゃないか?」
叱られるどころか、お仕置きされた…なんて口にしたい衝動にかられる拓海。
「俺、正直あいつ嫌いですもん」
キッパリと言う拓海に光一はア然とする。
「何で?」
「可愛すぎるから、あんなに可愛かったら虐めたくなるでしょ?好きな女の子を虐めるみたいに」
そう言ってニヤリと笑う拓海。
「お前、どSか?」
正直に思った気持ちを口にすると拓海は笑い出した。
「新崎さん面白い!でも俺、Mですよ。エッチの時はだけど」
「はあ?」
M?
じゃあリナに色々させてんのか?なんて妄想した。
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