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ワガママ 2話

「拓海は…その、」 リナとはどうなんだ?と聞きたい。 でも、余計な事をしないでとリナに怒られるのが想像出来る。 「何ですか?」 「ほら、よく週刊誌にすっぱ抜かれてるだろ?」 上手く言えない。しかも話がそれているかな?  光一はどう話を持っていけば良いのかもう、分からなくなっている。 「ああ、そんな事?それならもうすっぱ抜きはされないと思いますよ。女の子とは全部本気じゃないし、本気の人がすでに居るし、もう彼一人で良いんで」 「そうか…?」  うん?あれ? 拓海が言った言葉を頭の中で再生してみる。  女の子とは?  本気な人が居る?  彼一人?  彼…?  えっ、彼ーーっ!  彼って男を指す言葉だよな?  頭の中で上手く整理出来ていない光一は拓海から見ていると、とても面白い。  腕を組んだり、顔の表情もコロコロ変わる。  「新崎さん、俺、同性愛者なんです」 「はい?」 拓海のその言葉で脳内は一瞬にして整理された。 「新崎さんはナオさんと知り合いだし、今朝も二人で居たのを見られたし…」 はあ?今、ナオって言った?  今朝?…うん、確かに今朝二人で…  あれ?あれあれ?  じゃあ…二人は?  光一はマジマジと拓海を見つめる。  拓海はニッコリ笑うと、光一の耳元で  「俺とナオさんは付き合ってるんです。」 と言った。  えぇぇーーっ!  大声で叫びそうになる口を塞ぎながら拓海が言った言葉を受け入れた。  「だから、お願いがあるんですよね…嘉樹を早く芸能界入れちゃって下さい。で、新崎さんか豊川社長で面倒見て下さいよ」 拓海は微笑む。  「二人で暮らしたいんですよ。だから嘉樹はぶっちゃけ邪魔なんです」 それだけ言うと拓海は撮影に戻って行った。  取り残された光一は一人脳内整理に必死だった。 これは、わがまま。  拓海は言わなくて良い事を光一に言ってしまった。  わがままなのは分かっている。  それでも、  それでも、  ナオを独占したい。

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