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ワガママ 6話

「まあ、いい、これからもそんな危険な事はさせない」 自分が1番危ないかも知れないクセにそんな事を言える自分に笑える。 yoshiの頭をポンッと叩く。  「タケルさんにしかしない」 その言葉にはグッと来てしまった。 襲われたいのだろうか? 「今日は止めておくよ。さて、行こう」 豊川も乱れた服を直しネクタイを締め直す。 その姿にyoshiは見とれてしまった。  ネクタイがよく似合い、タバコの味のキス…  大人の男。 「どうした?」  自分を見てほうけているyoshiに声を掛ける。 「ネクタイ締め直すのカッコイイなあって」  素直な感想を言うyoshiにヤバイくらいににやけそうな自分を押さえた。 「こんなの、いつでも見せてやる」  yoshiを立たせ、促すように歩き出す。  そう言えば、さっきから行こう!と言われているが、どこに行くのだろう?と思った。  「どこいくの?」  「嘉樹の歓迎会」  豊川はそう言うと頭を撫でた。  「今日昼寝してた分は明日こき使う」  「今夜でも…いいけど?」  また誘う事を言うyoshiの頬を摘むと、  「そんなエロい事をまだ言う気か!」  と冗談っぽく言う。  「いたいーっ、だって…タケルさんなら…」 タケルさんなら?  「途中で泣く奴が生意気言うな!」  「うっ」  泣いた自分を思い出したのかyoshiは赤くなる。 「とりあえずエロい事はお預けだ」 額をペチンと叩いて一緒に部屋を出た。  yoshiが抱かれる男は自分だけであって欲しい。 そう願ってしまった。  これはわがままだろうか?

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