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君が生まれた日 2話
「お待たせ」
マコトが歓迎会の席に顔を出すと1番最初に喜んでくれたのはyoshiだった。
「マコちゃん」
とニッコリ笑う。
今日会えたけど忙しくて話せなかった。
「ごめんね、遅れて」
とマコトはアキの横に座る。
「ううん、この前も今日もあまり話せ無かったもんね」
「この前って何すかマコさん」
アキは仲が良さそうな二人が気になるのか会話に入る。
「ちょっとね」
「あー、何すか!俺は仲間外れすか!」
誤魔化されたアキはマコトに絡む。
「アキ、絡むな」
サクが阻止する。
「オッス」
車を停めて来た光一が顔を出すと、笑顔だったyoshiが嫌な顔をする。
「光一、お前…」
やっぱり来たか…と豊川はため息をつく。
yoshiが嫌がるのを知っているくせに、コイツは空気が読めないのか、バカなのか…。
「こら、ため息つくな!嘉樹も露骨に嫌な顔しやがって!」
二人に文句を言いながらも空いてる席は豊川の隣。
そこに座る。
「帰らなくて良いんですか?」
アキが心配するように聞く。
「まだ7時だし、あっ、ビールくださ…」
とビールを頼もうとして禁酒なのと車で来た事を思い出し、仕方なく烏龍茶を注文した。
yoshiは光一の方を一切見ないで光一意外と会話を楽しんでいる。
暫くは我慢が出来たものの、無視されるのが嫌いな光一は、
「yoshi、いい加減機嫌直せよ」
と話を振る。
でも、yoshiは無反応。
いくら会話を振ってもyoshiは返事をしない。
「あ~、もう豊川代われ」
とyoshiの隣に行こうとする。
「横くんなオッサン」
ようやく口を開いたかと思えば可愛くない言葉。
「オッサンいうな!」
「オッサン嫌いなんだよ」
yoshiはプイッと横を向く。
「俺がオッサンなら豊川もオッサンだ!俺と豊川は同じ歳だからな」
「ケッ、豊川さんはオッサンじゃないし」
またもや可愛くない台詞。
「可愛くない奴だな」
子供みたいに捨て台詞を吐く光一に、
「綺麗ならよく言われるけど?」
と嫌みで返す。
「光一、お前の負けだ」
豊川が二人の間に入る。
「yoshi君て、顔と口の悪さが合ってなくて面白いよねえ、なんか光一さんと漫才してるみたい」
二人の会話を見てアキはケラケラ笑う。
「漫才なんてしてねーし」
光一とyoshiが言った言葉は同時で、
「ほら、気が合ってるじゃん!」
アキがさらに笑う。
yoshiはムッとして、光一はニヤニヤしている。
両極端の二人に周りはつい、笑ってしまった。
面白くないyoshiは結果、やけ酒のようにアルコールを大量に摂取し、
豊川に寄り掛かり寝てしまった。
急に肩が重くなったと思ったらyoshiが寄り掛かって来て、豊川は寝てしまった彼に気付く。
「yoshi寝たからお開きだな」
「えっ?まじ?」
これからナオとの事を聞き出す予定だったのに。光一はいつになるか分からない機会をいつにするか悩んだ。
「お前、車出せ」
豊川からの当然のような言葉。
確かに酒を飲んでいないのは光一だけ、渋々、車を取りに行く。
寝顔可愛いなあ…と思っているのはアキ。
つい、スマホで激写してしまう。
「アキ…お前」
サクはアキの行為に呆れたような顔をした。
「だって可愛いんですもん」
「確かにな」
サクも頷いてくれた。
マコトに手伝って貰って豊川はyoshiを背負う。
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