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キス 2話

*** 7時半には事務所に着いたyoshi。 豊川に貰った社員証を警備員に見せ、ビルの中へと入った。 事務所に着き、そのまま社長室へと入るとソファーで寝ている豊川が目に飛び込んで来た。 えっ?もしかして、俺送った後にずっと仕事? 社長だから? それとも本人が真面目だから? 音をたてないように側へと近く。 寝ている豊川は何だか可愛い。 大人の男性に失礼なんだけど、yoshiには可愛く見える。 上着を脱いで、ネクタイを緩め、シャツのボタンを3つ下まで外して少し淫らに見えてしまう。 大人の男の色気? いつもは前髪を上げている豊川だけど、眠っている彼は前髪が下りて、雰囲気が違う。 前髪でこんなに変わるものなのか?と思う。 まだ起こさなくても良いのかな? あ、せめて体に何か掛けてあげた方が? そう考えながらも、ふと、夕べの激しいキスをまた思い出す。 豊川は男性も抱くのだとキスされて分かった。 手慣れた感じで行為が進んだ。 途中で止めてくれたけれど、あのまま抱くつもりだったのかな? それよりも恋人は? 結婚はしていないみたいだけど。 仕事人間っぽい豊川は性処理はどうしているのだろう? 風俗とか行かなさそうだし。 たまってないのかな? なんて余計な心配をしてみる。 月200万とか言われたけど、性処理も入ってるのかな? それなら、それでも良い。 豊川になら。 豊川となら… セックスしても気持ち良いと思うし、豊川に抱かれてみたいと思う。 そんな自分はやはり淫らなのかな? 豊川の頬に触れる。 キス…してみようかな? なんて顔を近付けるが躊躇ってしまう自分が居る。 間近で見る豊川は綺麗な顔をしていて、照れてしまった。 豊川から離れようとすると、手が伸びて来て引っ張られた勢いで彼の胸の中に倒れ込んだ。 起きてる? 「全く、朝からサカッて」 頭の上から豊川の声。 yoshiは顔を上げて豊川を見る。 「おはよう」 目が合うと豊川はyoshiに微笑み掛けてくる。 「おはよう…ございます。って、起きてたんだ?」 「ドアが開いたから目が覚めた」 「寝たふりかよ、趣味悪りぃ」 yoshiは行為の全てを知られていた事が恥ずかしくなり、可愛い悪態をつく。 「早い出勤だな」 可愛い悪態にクスッと笑いながら豊川が言う。 「昨日、昼寝したから…」 ああっ、なるほど。と豊川は益々、yoshiを可愛く感じた。 「案外真面目だな」 「案外って何だよ!」 yoshiは心外なのか豊川から離れ起き上がると文句を言う。 豊川も起き上がると、yoshiの頭を撫でた。 また…子供扱いして! yoshiはムッとくるが、撫でられるのは好きなので、それ以上文句を言うのを止めた。 「子犬みたいだな。気持ち良い?」 頭を撫でるとyoshiは気持ち良さそうな顔をする。まるで子犬。 「撫でられるの好き」 正直に答えるyoshiについ、顔が綻ぶ。 「ところで、朝からサカッた理由は?」 「えっ?あっ、タケルさんって仕事人間っぽいからタマってんじゃないかな?とか思って」 yoshiの言葉に豊川は笑いそうになる。 なんじゃそりゃ!と突っ込みを無性に入れたくなる自分が居る。 「そんな心配から盛ったのか?」 yoshiは頷く。 「何してくれるつもりだった?」 意地悪な質問をしてみる。 わざとイヤラシイ事をyoshiの口から聞きたいと思った。 「フェラとか…?」 yoshiは躊躇なく答える。 少しでも恥ずかしがるかと思ったが当てが外れた。 「やってくれるのか?」 豊川がそう質問すると、yoshiはスイッチが入ったように豊川のベルトに手を掛けた。 ゾクッと来た。  yoshiがこれから行おうとする行為を想像するとたまらない。 可愛い口に自分のモノをくわえるyoshiの姿。 見たい…。  見たいが…、  yoshiの両腕を掴み、引き寄せるとキスをする。

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