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キス 3話
舌が口内へ入り絡むとばかり思っていたが、豊川はyoshiの下唇を軽く吸って離した。
ゾクンッとした。
たった、それだけなのに吸われたヶ所に熱を感じた。
「子供が色気付くんじゃない」
そう言って豊川はyoshiを膝の上に座らせる為に脚を開かせ、座らせた。
向かい合い微笑む豊川に照れてしまう。
「そんな子供にエロい事しようと思っているくせに」
確かに、キスをして膝に座らせた後に待っているのは淫らな行為。
「して欲しそうな顔をしてるからだ」
そう言う豊川の手はyoshiの腰辺りにある。
「タケルさんだって、イヤらしい事したいって顔してるじゃん」
yoshiはそう言うと豊川の首筋に手を回す。
「何をして欲しい?」
「何をさせて欲しい?」
豊川の質問に質問で答え、悪戯っ子のように笑うyoshi。
そんな彼も可愛いと思う。
腰に置いていた豊川の手はyoshiの服を胸の位置まで上げる。
細い彼の腰は女性のモノのように白く滑らかそうだ。
背中に片手を回し、もう片手はyoshiの平たい胸にのばす。
服を少し上げ、彼の乳首を口に含む。
「…あっ…」
さっきまでの悪戯っ子はか弱い少女のような声を出す。
柔らかかったソコは舌でいじったり、唇で吸い上げると途端に硬くなる。
「…んっ、たける…」
気持ち良さに呼び捨てにされた豊川は、気持ち良く喘ぐyoshiをもっと見たくなり、激しい愛撫へと変えていく。
「きも…ちいい…、」
荒い息を吐き、yoshiは身体を仰け反らせる。
背中に回した手でyoshiを支えながら、豊川は服をさらに捲った。
指輪がキラリと光る。
ネックレスは昨日渡した自分の物。
使ってくれたのかと嬉しくなる。
銀色の指輪。
もちろん男物。
何故に指に付けずにいるのだろう?
小さな事さえ知りたくなる。
そして、もう一つ気になるモノが目に入った。
夕べ自分が付けたキスマークが濃くなっている気がした。
首筋のキスマークも…夕べより濃いような?
「yoshi」
「…んっ?なに?」
名前を呼ばれたyoshiは吐息混じりに答える。
「家に送った後、どうした?」
「家?やっぱ、タケルさんが送ってくれたんだよね、ありがとう」
yoshiは顔を見合わせ微笑む。
「そうだよ。」
「あっ、ネックレスもタケルさんだよね?ありがとー、朝起きたらベッドの横にあってさ、誰のかな?って真剣に悩んだ。」
「ずっと寝てた?」
「うん、あっ…ごめん、途中寝ちゃってさ」
yoshiは申し訳なさそうに謝る。
ずっと寝てた。それは嘘じゃないとyoshiの様子を見ると分かる。
一瞬、yoshiを疑った。
身体をもう売らないと約束させたのに、あの後、誰かに身体を自由にさせたのか?という疑い。
自分以外が付けたキスマークを見るのは気分良いものではない。
服をめくり、鎖骨辺りに付いている赤い印は自分のではない。
付けた覚えがない。
じゃ、誰?
yoshiが寝ていたとしたら、付けれる相手はひとりだ。
「ナオは夕べずっと?」
そう、ナオしか居ない。
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